豪中銀は政策金利を据え置き
豪州経済は引き続き底堅い
■豪州準備銀行(RBA)は3月1日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物金利の目標を0.1%で据え置きました。
■RBAは声明文で、世界経済は新型コロナの影響からの回復途上であるものの、足元のウクライナ情勢は新たな不透明要因となっており、コモディティ価格の上昇がインフレを押し上げていると指摘しています。
■一方で、新型コロナのオミクロン型の感染縮小により、豪州経済は引き続き底堅く推移していると評価しています。
GDPは2四半期ぶりにプラス
労働市場も力強い回復が続く
■2021年10-12月期の実質GDP成長率は、前期比+3.4%と2四半期ぶりのプラス成長となりました。新型コロナのデルタ型の拡大期に導入された、外出規制が昨年10月に解除されたことで、個人消費が回復しました。
■2月に発表された1月分の雇用統計では、失業率が4.2%と歴史的な低水準で、労働市場も力強く回復しています。RBAは、失業率が更に低下し、賃金は一層上昇すると見ています。
今夏にも利上げか、豪ドルは年後半にかけて堅調に推移する見込み
■豪州の消費者物価指数は、RBAの物価目標の範囲に収まっているものの、今後はエネルギー価格の上昇などに伴ってインフレの上昇も予想されます。このためRBAは、実際のインフレ率が持続的にRBAの目標に収まるまで利上げは行わないとしていますが、今後の物価や賃金の動向を見て、今夏にも利上げを開始すると予想されます。一方、日銀は当面現在の金融緩和を継続すると見られます。また、足元のエネルギー価格の上昇は豪ドルにとって追い風となることから、豪ドルの対円相場は年後半以降、堅調に推移すると見込まれます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪中銀は金融政策を据え置き』を参照)。
(2022年3月2日)
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