影響大のセクター④石油小売
具体的な企業としては、ペトロン(PCOR)、シェル(SHLPH)、フェニックス(PNX)などがあります。
基本的に、石油小売業者は、コストを顧客に転嫁しますので、直接的な影響はニュートラルと見られていますが、石油を輸入してから実際に販売するまでのリードタイムがあリます。PCORのように石油精製をおこなっている企業の場合は、このリードタイムがさらに長くなり、販売価格が購入価格よりも大きなマージンを持つことがあるため、価格上昇局面では、プラスに 働くことがあリます。
しかし石油価格の上昇は、最終的に需要を低下させるため、マイナス効果も大きいと言えます。
影響大のセクター⑤…石油開発 ーPXP
原油価格の上昇は石油採掘企業にとっては、純然たるプラス材料です。
フィリピンには、実際に操業している上場企業はいまのところ存在していませんが、PXPのような石油採掘権を有する企業を市場がどう評価するかという点では、プラス効果があります。
歴史的にPXPの株価は、ドバイ原油価格と強い相関がありますが、近年は西フィリピン海での中国との地政学的緊張が株価に圧力を加え、PXPの株価が原油価格の上昇トレンドを完全に反映することができてない状態になっています。
コロナやこれに伴うグルーバルサプライチェーンの機能不全による原油価格の高騰が、ロシア・ウクライナ問題の緊張が高まる中で、さらに価格上昇に拍車をかけている中で、このことがフィリピン株式市場にどのような影響を及ぼすのかという視点で、記事を書きました。
しばらく、ウクライナ問題の深刻化・長期化、そしてFRBの利上げ、バランスシート縮小、インフレ加速など経済の不確定・不安定要因が続きそうです。
このようななか、マーケット全体的には、リスクオフモードになっていますが、一方で状況下においても、ファンダメンタルズのしっかりした長期的に成長する企業に焦点をあてて、今後も記事を投稿してまいります。