前回は、節税のための賃貸経営が抱えるリスクについて説明しました。今回は、プライベートカンパニーで「資金調達」をする方法を見ていきます。

資金調達する方法はいくつかあるが・・・

プライベートカンパニーが資金調達するには、以下のような方法があります。

 

①プライベートカンパニーの資本金や資本準備金、内部留保を利用。現金で土地建物を購入できます。ただし、通常はプライベートカンパニーを新設した場合、それほど現金はないので、何年かして賃料収入がたまってからというのが一般的です。

 

②子どもが現金を持っている場合、プライベートカンパニーが子どもから借ります。このケースもあまり多くはありません。

 

③プライベートカンパニーが銀行から融資を受けます。実績のない新設のプライベートカンパニーであっても、同族会社としてオーナー一族の資産背景が勘案されるので、被相続人や相続人が連帯保証人になることで、融資を受けられる可能性が高いのです。

 

④親から資金を借ります。銀行が親に代わっただけで、銀行ローンと同程度の利息を付ければ問題ありません。

 

⑤売買代金を分割で支払っていく方法です。利息を付けたほうがよいですが、なくても構いません。返済は家賃収入から行います。④と似ていますが、実際にお金が動くわけではないので、人気があります。売買契約書に支払い条件をきちんと記載しておくことがポイントです。

LLC(合同会社)のメリット、デメリットとは!?

プライベートカンパニーは通常、株式会社を使いますが、LLC(合同会社)を使うという方法もあります。日本のLLCは株式会社とさほど変わりはないので、検討の余地はあるでしょう。

 

ただし、LLCは出資と経営が一致しなければなりません。出資者と役員が同じでなければならないのです。それに対し、株式会社であれば出資者と役員が一致する必要がなく、相続人への所得分散などが比較的自由に行えます。

 

登記費用はLLCの方が安いのですが、相続対策のためであれば自由度の高い株式会社の方がお勧めです。なお、アメリカのLLCは完全な有限責任である点と、LLCへの課税はパスされ、構成員に直接課税されるパススルー税制が使える点などメリットが大きく、アメリカの不動産に投資する場合には便利です。

 

[図表] 土地建物所有方式 Fさん LLC設立 ドルでの資金運用

本連載は、2015年9月19日刊行の書籍『余命一カ月の相続税対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
〈税務の取扱に関する留意点〉
本連載の内容は、平成28年7月現在の税制・関係法令等に基づき記載しております。今後の税制改正等により税務の取扱等が変わる場合もありますので、記載の内容につきましては将来にわたって保証されるものではないことにご注意ください。個別の税務取扱い等については、税理士や所轄税務署等にご確認されることをお勧めします。

余命一カ月の相続税対策

余命一カ月の相続税対策

福田 郁雄,木村 祐司

幻冬舎メディアコンサルティング

突然やってくる“その時”、わずかな時間でできる対策は限られています。しかし、正しいノウハウをもってすれば、相続税対策は2週間程度で完了、相続税をゼロにでき、それどころか、子孫に受け継いだ資産がその後も増え続けて…

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