(※写真はイメージです/PIXTA)

2021年の東京オリンピック・パラリンピック閉幕以降も続く市街地整備事業の影響で、公道上の「不法占拠店舗」が一掃されようとしています。違法ではありながら存在を黙認され、長きにわたって人々に親しまれてきた商店街・屋台街には、観光資源として存続の声も上がるなど複雑です。歴史的背景とともに考察します。

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    一方で「貴重な観光資源」との評価も

     

    不法占拠店舗の立ち退きにより、江戸情緒漂う伝法院通りの活気や、食べ歩きが楽しい中州の賑わいは消滅してしまいます。こういった観光資源を失うことは自治体経営に少なからず影響するようです。

     

    2011年、福岡市長は「屋台のあり方を検討したい」と、中州をはじめとする屋台の存続を示唆する表明をしました。やはり福岡観光の目玉は「屋台街の賑わい」であるとして、市は屋台を主軸とした街づくりにシフト転換したのです。

     

    屋台営業を継続していくには地域との共生が必要と、周辺住民から意識調査を行いながら、2013年には屋台に関する日本初の条例「福岡市屋台基本条例」を制定するに至りました。消滅の危機にあった屋台街は、自治体側の方針転換によって救われたのです。

     

    一方、浅草の立ち退き問題は裁判がはじまったばかりです。浅草伝法院通り商栄会は国際観光都市・浅草の繁栄に一役買ってきた商店街であり、地域においてなくてはならない観光資源であることに違いありません。

     

    判決には福岡市の事例も参考にされるのではないでしょうか。今後の展開に注目したいところです。

    一部の地域で再評価の動きも

     

    東京オリンピック・パラリンピック開催の影響もあり、全国各地で市街地開発の活性化が見受けられます。地域のインフラ整備のためとはいえ、昔ながらの商店街や屋台街など、観光客に親しまれてきた街の風景が消えるのは寂しいことです。

     

    公道の不法占拠が理由であれば立ち退き要請も当然ではありますが、違法性の高い商店街や屋台街についても、一部地域では再評価の動きもあります。

     

    周辺住民の理解を得ながら、歴史ある街並みを観光資源として活用していくことが、永続的な地域の発展の一助になるといえるかもしれません。

     

     

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    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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