前回は、「東京オリンピック」の開催で本当に関連株価は上昇するのか、改めて考察しました。今回は、年々不確実性が高まっている「日本株」に投資する際の留意点を見ていきます。

「上がらなければ儲からない」という発想を捨てる

前回の続きです。これからの時代、株式投資で利益を上げたいのなら、筆者は日本人の多くが持っている「上がってほしい」という日本株への期待や、「株は上がらなければ儲けられない」という発想を捨てなければならないと考えています。

 

なぜなら日本株はこの25年間、下がり続けてきたからです。長期チャートを見れば、1990年以降、日経平均株価が右肩下がりであることに誰もが気づかされるはずです。

 

多少の上下動はあっても、この25年間、日本株は上昇相場よりも下落相場のほうが圧倒的に長いという異常事態にありました。それゆえ、アベノミクス相場が始まる前までは、日本株式市場に悲観論が蔓延し、日本人ですら自国の株を買うことをためらっていたのです。

 

これはアメリカの株価が、1987年のブラックマンデーや2008年のリーマン・ショックを経験しても、長期的には右肩上がりを続けている状況とは対照的です。

5年先、10年先も安心な投資先はほとんどない

日本経済が低成長であることを鑑みれば、ウォーレン・バフェットさながらに「バイ・アンド・ホールド」の長期投資を続けていては含み損を増やすだけです。もちろん彼の投資手法や思想には見習うべきところがたくさんありますが、日本の株式市場にはそぐわない点があることを知っておかなければなりません。

 

また、年々不確実性が高まっている株式市場において、5年先、10年先も安心して投資できる銘柄はほとんど存在しないといっていいでしょう。

 

今はアベノミクス相場で浮き足立っていても、成長戦略が志半ばで終焉することになれば、相場は一気に急下降することになります。

 

買い一辺倒の戦略しか持たない個人投資家が、下落局面でも同じように買い続けていては、下りのエスカレーターを全力で駆け上がろうとするようなものです。これまでのやり方が全く通用せず、取引をすればするほど損を出すことになるでしょう。

 

今後、皆さんの株式投資が成功するか失敗に終わるかは、上昇局面だけでなく下落局面でもリターンを上げられるかにかかっているのです。

本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

紫垣 英昭

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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