【株価急落】狼狽売り回避と胸を張るが…じつは「損切失敗」の悲しいパターン
定期的に買い増しして平均買値を下げる
市場低迷期の1つの対処法は、有望な高配当株を定期的に買い増しすることです。ナンピン買いのような買い方になり、平均買値を下げることができます。そして、配当をもらいつつ、景気回復と株価上昇を待ちます。
この場合、「ドルコスト平均法」がよく使われますが、これは定期的に一定額ずつ買い増していく方法です。安い時期に多くの株数を買うことになるので、平均買値を下げやすくなります。
ただし、買い増しの途中で銘柄に大きな悪材料が出ると、かなりの損失を受ける恐れがあります。厳選した銘柄であっても複数銘柄に分散して、リスクを抑える必要があります。
周期のある高配当株は「秋に買って春に売る」
日本の株式市場の動きを見ていると、秋から春にかけて上がりやすい傾向が見られます。以下のようなことが重なって、傾向ができていると考えられます。
①3月決算企業が多いので、5月頃になると「決算発表まで様子を見たい」という投資家が増えて、慎重な動きになりやすい
②7〜8月には夏休みなどがあり、いわゆる夏枯れ相場で、出来高が細くなりやすい
③外国人投資家が夏場は買いを控えやすい
1990年から2017年の28年間の日経平均株価を対象に、その年の10月末と翌年4月末の株価から、秋から春での騰落率を求めてみると、図表のようになりました。28年のうち、プラスになったのが19年、マイナスになったのが9年で、秋から春にかけて上がりやすい傾向があることがわかります。
そこで、過去のチャートで銘柄の動きを見て、秋から春にかけて上昇し、夏頃から下がって秋に底を打つ傾向のある高配当株であれば、次の方法を取ることができます。
①秋(10月〜11月頃)に買う
②3月末の決算期末に株を持ち続けて配当をもらう
③4月頃に売る
この方法だと、3月末と9月末の2回に分けて配当を出す銘柄では、3月末の配当しか得られないというデメリットがあります。しかし、株価が上がりやすい時期だけ保有することになるので、値上がり益が得やすくなるメリットがあります。もちろん、春以降も下がらずに上昇が期待できる場合は、そのまま持ち続けることを考えます。
ファイナンシャルプランナー(CFP)、著述家、個人投資家
藤本 壱
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