(※写真はイメージです/PIXTA)

株価を左右する要因にはさまざまなものがありますが、なにより大きいのは「景気動向」です。景気の波は上下するものであり、拡大し続けることも、悪化し続けることもありませんが、近年では、従来にないほど景気循環が長期化する傾向が見て取れます。今後株式投資するにあたっては、それを踏まえたうえでリスク要因の把握に努めることが必要です。

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近年、景気循環が長期化してきている傾向があります。今後の投資を考える上で重要なポイントですので、この点も考慮に入れて考えてみます。

景気の波は「上下動」を繰り返す

株式市場はさまざまな要因から影響を受けますが、最も大きな要因は景気の動向です。景気が良くなれば株価も上がり、逆に景気が悪化すれば株価は落ち込みます。

 

景気は拡大し続けることはありませんし、逆に悪くなり続けることもありません。景気の良し悪しは波のように上下動を繰り返します。

 

2021年1月上旬時点では、日経平均株価が前年9月に一時3万円を超え、株式市場は堅調といえる状況が続いています。その最大の要因は、2020年のコロナショックが起こる前までは景気が比較的良かったことです(庶民レベルではあまり実感することができませんが…)。

 

2012年12月に第2次安倍政権が発足し、翌年から「アベノミクス」と呼ばれる経済政策がとられました。また、2013年4月から日本銀行が異次元金融緩和を始めました。これらによって円安が進み、輸出企業を中心に業績が改善しました。

 

しかし、その前の2008年から2012年にかけては、リーマンショックや東日本大震災の影響で、景気が低迷する時期がありました。

景気循環のサイクルが徐々に長くなっている

日本では、内閣府経済社会総合研究所が、景気の山と谷がいつだったかを判定しています。それによると、2022年1月上旬時点では第16循環の途中で、2018年10月を山として、谷に向かっていることになっています(2021年11月30日、内閣府は「2021年5月」を「景気の谷」として暫定設定しています)。

 

第二次世界大戦後の過去の景気拡大局面を見ると、2002年1月~2008年2月の73か月間が最長でした。この頃は、BRICsを中心に世界的に景気が拡大しました。また、1980年代末のバブル景気の頃は51か月間景気拡大が続いたとされていて、戦後4番目の長さとされています。

 

前述したように、2022年1月上旬時点では第16循環の途中です。この循環の景気拡大局面は2012年11月から2018年10月まで71か月間続き、戦後2番目の長さになりました(図表1)。

 

[図表1]過去の景気循環の期間

 

[図表2]株価の波も長くなっている(各月末の日経平均株価)

 

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本連載は藤本壱氏の著書『新版 株初心者も資産が増やせる 高配当株投資』(自由国民社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

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