経済的に自立して仕事の早期リタイアを目指す「FIRE」のうち、資産運用による収入を得つつ好きな仕事だけする「サイドFIRE」であれば、実現しやすく、また、社会との接点も維持できることからメリットは大きいといえます。著名FPで投資家の頼藤太希氏と高山一恵氏が「サイドFIRE」の意義と効果について解説します。

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「サイドFIRE」こそ日本で目指すべきスタイル

勤労収入+資産運用収入で生活する

「フルFIRE」が困難だとして、一方の「サイドFIRE」はどうでしょうか。投資収益に加えて、アルバイトや個人事業主などである程度負担を少なくしながら働き収入を得ていくスタイル。ちなみに、「バリスタFIRE」と言う言葉もありますが、これは「カフェでパート・アルバイトとして働きながら」というイメージでサイドFIREの一種です。

 

この「フル」と「サイド」を比べたときに、現在の日本で現実的なのは「サイドFIRE」になるでしょう。「サイド」という言葉の響きから誤解があるかもしれませんが、これは決して妥協案ではありません。

 

サイドFIREでは、早期リタイアではなく、セミリタイアを目指すわけですが、単に「短時間だけ仕事する」「ゆったり仕事する」という考え方ではなく、ここでは「働き方の選択肢を増やし、やりたい仕事を過大な負担なく取り組む」と捉えたいと思います。

 

「仕事が嫌だ。辞めたい」とだけ考えると、FIREがすなわち「投資で稼いで仕事を辞める」という捉え方・目的になっていきます。しかし、ライクワーク、ライフワークに取り組めるとしたら、どうでしょうか。

 

また、働き方の問題だけでなく、収入面でも大きなメリットがあります。勤労収入があるので、用意すべきFIRE資産は第1回目の記事で目安として示した7500万円よりぐっと下げられます。

 

つまり、日々の節約をそこまで強いられないということ。また、運用中の利率の上下にも対応できるようになります。

 

 

 

働く姿を見せることが、子どもに「働く意味」を考えさせることにつながる

そして、子どもへ親として見せる「生き方」の問題もあるでしょう。親として、仕事が嫌で辞めたという姿を見せることになるわけです。

 

労働が嫌という意見はわかりますが、労働で得る対価、社会でどのような人がどのように働き、収益が上がるのか、そうしたことを子どもに伝えずによいのか、一度考えてみてもらいたいと思います。

 

仕事をしてお金をもらうということは、お金を喜んで払う人がいます。お金の向こうには人がいるのです。仕事をネガティブなものではなく、ポジティブなものとして捉えることが大切ではないでしょうか。

 

「豊かな暮らし」どのようなものか、よく考えた上で選択を

子どもは「親の背中」を見て育つと言われますが、子に見せる大事な時期に、何の目的も目標ももたず早期リタイアしている姿を見せるのが望ましいのか、とも言えます。

 

FIREとは、人生を豊かに過ごすための生き方です。運用方法とともに、どのような暮らしをしたいのかよく考えて選択することが、結果的に豊かな暮らしにつながると思います。

 

 

 

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本記事は『マンガと図解 はじめてのFIRE』(宝島社)より抜粋・再編集したものです。

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