厚生年金加入者の場合、将来の年金額は現在の給料から予想することが可能です。しかし、シミュレーションしてみて「想像以上に少ない!」と驚く人も多いのではないでしょうか。老後の生活資金を増やしたいなら、私的年金に加入するなど、気づいた時点で手当てをはじめることが大切です。ファイナンシャル・プランナーで株式会社Money & You代表の頼藤太希氏が解説します。

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いまのあなたの「将来の年金額」はいくらか?

皆さんが受け取れる年金額は、どの程度でしょうか。おおよその額がわかる一覧表を下記にご用意したので、確認してみてください。

 

縦軸が平均年収、横軸が厚生年金加入期間(会社員・公務員だった期間)です。みなさんのおおよその平均年収と厚生年金加入期間をたどり、交差した箇所の金額が65歳から受け取れる年金の年額(目安)となります。

 

※国民年金は78万1700円として計算 Copyright © Money & You Inc. All Rights Reserved.
[図表] 国民年金満額と厚生年金の合計金額 Copyright © Money & You Inc. All Rights Reserved.

 

たとえば、平均年収500万円の方が35年間厚生年金に加入していた場合、受け取れる年金額は年172万5000円です(国民年金の満額78万900円を含んだ金額)。これを12で割ることで、毎月の年金額がわかります。この例の場合、おおよそ14万3750円となります。

将来の年金額が不安なら「私的年金」で手当てを開始!

老後の収入が年金だけの方の場合、多くは「この年金額では心配」と思われるのではないでしょうか。ならば、公的年金を増やす、私的年金を利用するなど、自分自身でも年金を準備しておく必要があります。

 

国民年金・厚生年金といった公的年期に上乗せする給付を行うのが「私的年金」であり、「確定給付型」と「確定拠出型」の2種類に大別されます。

 

確定給付型は、加入時にすでに将来給付される金額が決まっている年金制度です。将来の予定が立てやすいのがメリットです。自営業等、国民年金第1号被保険者が加入できる「国民年金基金」、会社が導入する「確定給付企業年金(DB)」などがあります。

 

確定拠出型は、毎月の掛金の金額が決まっている年金制度です。自分で運用し、その結果を後から受け取るしくみです。運用がうまくいけば受取額が増やせます。20歳以上60歳未満の方ならほぼ誰でも加入できる「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や、会社で加入する「企業型DC(企業型確定拠出年金)」などがあります。

 

私的年金への加入を検討する場合は、まず勤め先の企業にどういった制度があるのか(あるいは、ないのか)を確認しましょう。もしあるなら、将来どのくらい受け取れそうか確認してください。

 

ほかにも、下記で詳述する「付加年金」「年金の繰り下げ」等を利用すれば、自分で年金を積み増すことができます。

 

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