2021年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「宅森昭吉のエコノミックレポート」の『経済指標解説』を転載したものです。

 

緊急事態宣言解除で、10~12月期実質GDPはプラス成長か

 

 

●2月15日に発表される10~12月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比+1.6%程度、前期比年率+6.5%程度と、9月末までの緊急事態宣言発出の影響などで消費活動が抑制されマイナス成長だった前期比の反動で、2四半期ぶりのプラス成長になると予測する。

 

●10~12月期実質GDP第1次速報値では内需前期比寄与度は+1.6%程度を予測する。内訳をみると、民間需要の寄与度が+1.7%程度のプラス寄与度、公的需要の寄与度は▲0.1%程度のマイナス寄与度と予測する。外需の前期比寄与度は0.0程度で、国内民需主導の成長になると予測した。

 

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の10~12月期前期比は+11.8%の増加になった。一方、同じく供給サイドの関連データである非耐久消費財出荷指数は同+3.1%の増加だ。参考までに商業販売額指数・小売業の10~12月期前期比をみると+1.4%の増加になった。また、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の10~11月平均対7~9月平均比は+4.3%の増加である。乗用車販売台数の10~12月期前期比は▲0.6%の減少になった。GDP統計の実質個人消費(家計最終消費支出)と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の10月対7~9月平均比は+0.7%の増加である。以上から総合的に考えると、10~12月期第1次速報値の個人消費は、前期比で+2.6%程度の増加になると予測した。緊急事態宣言が終了し、まだ新型コロナウイルスの感染者が少なかった期間であり、旅行・レジャー関連の支出増も多かったとみられる。ラニーニャ現象が発生し、寒い冬になったことで、冬物需要も出たようだ。個人消費はGDP押し上げの主因になったことが予想される。

 

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の10~12月期前期比は+2.3%の増加になった。また、資本財(除.輸送機械)出荷指数の10~12月期前期比は▲4.3%の減少になった。一方、建設財は同▲3.4%の減少である。GDP統計では、10~12月期の供給サイドから推計される実質設備投資は前期比+0.1%の増加になると予測した。

 

●民間在庫変動の前期比寄与度は+0.3%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が7~9月期GDP第2次速報値発表時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲102億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は▲7,188億円である。一方、鉱工業在庫指数の前期比は、7~9月期は+2.5%だったが、10~12月期は+3.2%になったことなどを考慮した。

 

●実質輸出入の動向をみると、輸出の10~12月期・前期比は▲0.9%の減少になった。控除項目の輸入は同▲1.6%の減少になっている。財のデータでみると10~12月期の外需・財貨の前期比寄与度はプラスになりそうだ。サービスも含めたGDPの輸出の10~12月期前期比は▲0.7%の程度の減少、輸入は同▲0.8%度の減少と予測した。10~12月期の外需の前期比寄与度は0.0%程度になるとみる。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測』を参照)。

 

(2022年1月31日)

 

宅森 昭吉

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

理事・チーフエコノミスト

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 理事・チーフエコノミスト

旧三井銀行(現三井住友銀行)で都市銀行初のマーケットエコノミストを務める。さくら証券チーフエコノミストなどを経て現職。
パイオニアである日本の月次経済指標予測に定評がある。身近な社会データを予告信号とする、経済・金融のナウキャスト的予測手法を開発。その他、「景気ウォッチャー調査」などの開発・改善に取り組んできている。「より正確な景気判断のための経済統計の改善に関する研究会」など政府の経済統計改革にも参画。「景気循環学会」常務理事。
著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)など。

著者紹介

連載【宅森昭吉・理事・チーフ エコノミスト】エコノミックレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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