債券購入は3月上旬で終了
■米連邦準備制度理事会(FRB)は1月25日、26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置きました。
■債券購入プログラムについては、2月以降は米国債で毎月200億ドル、住宅ローン担保証券で毎月100億ドルへの買入れ縮小(テーパリング)を行い、3月上旬に買入れを終了する方針を示しました。
3月の利上げを強く示唆
■声明文では、「失業率は大幅に低下」し、「インフレ率が2%を大きく上回っている」と、雇用、物価のいずれにも強い表現が用いられました。
■また、「FFレートの目標誘導レンジの引き上げが間もなく適切になると予想する」と、次回3月FOMCでの利上げ開始を強く示唆しました。
物価の先行きに注目
■パウエル議長は会見で、価格上昇がパンデミックに関連したものだけでなく、幅広い商品やサービスに拡大していることを指摘し、労働市場の改善を支えるためにも物価安定に強く取り組むと述べています。
■26日の米国市場では、FOMC後に株式市場は下落、債券利回りも上昇(債券価格は下落)し、株安、債券安となりました。3月の利上げ開始が示唆されることは市場の想定通りでしたが、声明文、会見ともにインフレへの強い警戒感が目立ち、金融緩和縮小への懸念が続きました。
■3月利上げの可能性が高まったことで今後の金融政策の焦点は利上げとバランスシート縮小のペースに移ります。金融政策の先行きを見通す上で、物価の高止まりが解消に向かう時期に注目が集まります。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FRBはFOMCで3月利上げを強く示唆』を参照)。
(2022年1月27日)
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