老親が子に捨てられたと思う瞬間…ショートステイが嫌いな理由 (※画像はイメージです/PIXTA)

家族に仕事があり、日中はケアできないため利用するのがデイサービス、出張などで留守にするため、数日施設で過ごしてもらうのがショートステイです。なぜ老親は通所サービスの利用に抵抗するのでしょうか。相沢光一氏が著書『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)で明らかにします。

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不愉快になる「自分の存在がそんなに邪魔か」

■デイサービス、ショートステイへの抵抗感とは

 

自宅よりも設備の整った施設に行って受けるのが通所サービスです。要介護者用の機能を備えたクルマで送り迎えしてくれるため、足が不自由な人や車椅子の人も安心して利用することができます。

 

介護される人は、居宅にずっといると孤立感に襲われますし、気分的にも沈みこんでしまいます。外出し、いつもと違う環境に身を置けば気分がリフレッシュできる。大勢の人がいるところに入っていけば刺激になり、心身の回復のきっかけにもなるというわけです。

 

介護する人にとっても、大きなメリットがあります。仕事をもっている人は、利用者が通所サービスに行っているあいだは仕事に集中できるからです。介護に専念している人も、通所サービスのあいだは介護から解放され、息抜きもでき、ふたたび介護に向かう元気が取り戻せるのです。

 

通所サービスには、大きく分けて3つの種類があります。表に、その特徴を示しました。

 

ここまでは通所サービスをポジティブに紹介してきましたが、じつは利用者には通所サービスに拒否感を示す人がけっこういて、介護する人とのあいだで、行くかどうかをめぐってもめることがよくあるのです。

 

なぜなら、利用者にとっては、このサービスが自分のために必要だから「行く」のではなく、介護者である娘や息子の都合で「行かされる」ことだからです。

 

介護者が説得するときは、良いことをたくさん並べます。「デイサービスに行けば、お風呂に入ってスッキリできるし、大勢のなかでお昼も食べられる。ウチにいるより楽しいと思うよ」などと。しかし、気持ちは動きません。通所サービスを利用するのは、娘や息子が自分の仕事を優先しているから、あるいは息抜きをしたいからということがわかるからです。

 

施設入所を説得されるときの「見捨てられる感」ほどではないにせよ、自分がないがしろにされているようで不愉快なのです。

 

また、男性の利用者には、知らない人たちのなかに放りこまれること、しかも全員が要介護の高齢者で、その人たちと同列に扱われることに拒絶感をもつ人が多いそうです。自分も要介護であることを差しおいて、プライドが傷つけられるわけです。

 

その点、女性利用者は順応性がある人が多く、最初は嫌がっていても我慢して行ってみると「意外に楽しかった」という反応が多いのだとか。すぐに友達をつくり、その人と話をするのが楽しみで通所サービスが大好きになる人も多いそうです。

 

 

 

フリーライター

1956年、埼玉県生まれ。明治大学法学部中退。スポーツやビジネス分野を中心に取材・執筆活動を展開してきたフリーライター。父親介護の体験を機に、高齢者介護のあらゆる問題を社会と個人の両面から精力的に取材。現場のリアルを『PRESIDENT Online』で発表している。また、『DIAMOND online』ではスポーツのコラムを執筆中。

著者紹介

連載「頼れるケアマネ」と「問題なケアマネ」の見分け方

※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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