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訪問サービスには、どのような種類があるか
要介護認定が済み、担当ケアマネが決まると、利用者宅でサービス担当者会議が行なわれます。出席するのは利用者、おもな介護者、ケアマネ、ケアプランに組みこまれたサービスの事業者。
会議を進行するのはケアマネで、利用者の心身の状態とそれに対するケアの方向性、ケアを行なううえでの約束事などを打ち合わせ、情報を共有します。
この会議の時点では、介護をされる人も、介護をする人もケアの知識はほとんどないはずですが、サービスがスタートする前の大事な会議ですから、わからないことがあれば何でも質問し、理解しようと努めたいものです。そうした介護に対する前向きの姿勢を見せることが、ケアマネやサービス事業者の印象を良くし、仕事に対するモチベーションにつながるからです。
また、介護が始まるにあたって、どのようなサービスがあるか頭に入れておきたいものです。居宅サービスは、大きく訪問サービスと通所サービスのふたつに分けられます。
訪問サービスには、次の表のようなものがあります。
訪問介護で、できないこともあります。「身体介護」では医療行為が禁じられています。ただし、自動血圧計での血圧測定や、わきの下での体温測定は許可されています。可否の境目が素人では判断がつかないので、してほしいことがあれば、ダメ元で頼んでみてもいいでしょう。
「生活援助」では、利用者本人に対する援助はOKですが、介護をする人など家族も含む援助はNGです。掃除なら、利用者の居室やトイレのみ。窓拭きも禁じられています。年末の大掃除のときにするような清掃をお願いすることはできないとイメージするとよいでしょう。
また、庭の掃除や草取りもできません。利用者が日常的に使う部分の掃除に限られるということです。洗濯も利用者本人の衣類だけに限られます。
なお、定期的に訪問することはないため、訪問サービスの範疇には入りませんが、介護には欠かせず、介護保険も適用されるものがあります。介護のための環境を整えるサービスです。
そのひとつが福祉用具レンタル。介護用ベッドやベッド対応のテーブル、車椅子などを原則1割負担で借りることができます。また、居室用の便器はレンタルできないため購入することになりますが、その購入費用も年間10万円までなら1割負担になります。
自宅に手すりをつけたり、段差を無くしたりする改修工事にも介護保険は適用されます。工事費が20万円以内であれば、1割負担で済むのです。