「日本の気密・断熱性能は先進国では最低レベルだ」ということはあまり知られていません。冬の脱衣所の寒さや窓の結露などは、実は性能次第で劇的に改善できるのです。それを知らないままに家を建て、後悔することは避けたいもの。ここでは、住まいるサポート株式会社代表取締役の高橋彰氏が、簡単に「住まいづくりの基礎知識」を得る方法について解説していきます。
プロがお勧めする「住まいづくりの書籍」
ここからは、お勧めの書籍を何冊かご紹介したいと思います。
「エコハウスのウソ」、「エコハウスのウソ2」 前真之著 日経BP社
東京大学准教授で省エネ住宅を専門とする、前氏の著作です。特に2020年に発売された「エコハウスのウソ2」は「エコ」だけでなく、居住者の健康面や快適さからも解説されていてお勧めです。かなり専門的な内容がとても分かりやすく書かれた書籍です。
「ホントは安いエコハウス」 松尾和也著 日経BP社
ユーチューバーとしても紹介した松尾和也氏の著作です。2017年に出版されていますが、いまだに売れ続けているようです。エコハウスが経済的にも得であることを中心に、数字や根拠を示しながら解説された内容はとても説得力があります。どちらかというと理系の方向きかもしれません。
「元気で賢い子どもが育つ! 病気にならない家」 高橋彰著 Clover出版
昨年7月に出版した拙著です。「高気密・高断熱」という言葉も知らない方を想定した、住まいづくりの入門書といえます。省エネだけでなく、耐震性能や、健康・快適・経済性、工務店の選び方等について網羅的に説明しています。
今まさに住まいづくりを始めようとしているという方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
高橋 彰
住まいるサポート株式会社 代表取締役
住まいるサポート株式会社 代表取締役
一般社団法人日本エネルギーパス協会 広報室長
神奈川県出身。東京大学修士課程(木造建築コース)修了、同大博士課程在学中。千葉大学工学部建築工学科卒。リクルートビル事業部、UG都市建築、三和総合研究所、日本ERIなどで都市計画コンサルティングや省エネ住宅に関する制度設計等に携わった後、2018年に「結露のない健康・快適な住まいづくり」のサポートを行っている住まいるサポート株式会社を起業。日本でトップクラスの性能を誇る工務店・ハウスメーカーを厳選して提携し、消費者に無料で紹介する「高性能な住まいの相談室」や、デザインと高性能を両立する設計を行う建築家のマッチングサービス等を提供。また、横浜市住宅政策課主催のセミナーや毎日新聞社主催のセミナー等、多数のセミナーに登壇、メディアへの出演など、高性能な住まいづくりに関する情報発信に積極的に取り組んでいる。住まいづくりを考えている方々への情報発信を通して、ひとりでも多くの方が、住宅の性能に関する基礎知識を持ち、他の先進国並みに「結露のない健康・快適な家」を普及させることを目標としている。主な著書に、「元気で賢い子どもが育つ! 病気にならない家」(クローバー出版)、「人生の質を向上させるデザイン性×高性能の住まい: 建築家と創る高気密・高断熱住宅」(ゴマブックス)など。
●高性能な住まいの相談室:https://sml-support.com/lp
●建築家と創る高気密・高断熱住宅:https://sml-support.com/archicon
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