(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、現在日本では、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。滞納が続けば、強制執行される前に家を売却し、売った金額でローンを返済していく「任意売却」手段をとるのが一般的です。その後も生活困窮が続けば自己破産を検討する必要があります。クラッチ不動産株式会社代表取締役の井上悠一氏が事例とともに解説していきます。

当初、「自己破産は避けたい」と考えた夫婦だったが…

不動産価格を調査すると、大幅にオーバーローンになり、任意売却したとしても残債務が1300万円以上残ることが分かりました。そのうえ、ほかの借入もあったことから、自己破産するしか道がないのではないかというお話をしました。

 

ご夫婦は、当初、恥ずかしいという思いと、ガンを患った父の看病をしていたことから、自己破産は避け、なんとか再起を図りたいとの意思でした。

 

しかし、自己破産して免責許可が下りれば債務がすべてなくなり人生の再スタートをきれること、世間の自己破産のイメージがあまりにも悪く誤解されていることなどを説明すると、夫婦ともに自己破産することを決断しました。

 

その後、住宅ローンの滞納が5ヵ月のところで、Gさん宅に代位弁済の通知書が届いたため、任意売却の手続きを進めたところ、当初の調査どおり2000万円での売却が決定しました。また、退去費用を売却金額から捻出することもできたため、ご夫妻はとても喜んでいました。

 

そして残債1300万円については、自己破産に精通し親身になって相談に乗ってくれる弁護士の先生を紹介し、自己破産の申立てを行い、無事に免責許可を受けることができました。

 

「景色のきれいな賃貸マンションに引っ越して満足しています」と奥さまが明るい表情で話していた姿を思い出します。再スタートをきれて、なにか吹っ切れた表情と感じました。

 

 

井上悠一

クラッチ不動産株式会社代表取締役

 

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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