(※写真はイメージです/PIXTA)

私立高校の教諭としてキャリアを積んだ、株式会社対話教育所の代表取締役・小山英樹氏。本記事では、日本教育の根幹を覆してしまったシステム「偏差値」について語ります。

京大教授「受験結果だけを見て喜んでいる学校は…」

横浜の桐蔭学園は、普通の学校を5つも6つも集めたぐらいの規模のマンモス校です。2014年ごろから学校の大改革に着手しました。

 

当時京都大学教授であった溝上慎一先生が全面サポートし、途中からは京大を辞職して理事長に就任し内側から一層強力に改革を進めています。難関大学への進学実績で成長してきた学校が、授業を「主体的・対話的で深い学び」型に変え、これまで以上の進学実績と非認知能力向上を両立する学校へ進化していくのです。しかも教員数は300名。これは壮大なチャレンジです。

 

私もリーダー・ミドルリーダーの研修をお手伝いしました。その依頼を受ける際の溝上先生の熱い語りを今でも覚えています。

 

「知識・技能だけで大学に入ったって伸びるわけがない。そんな学生……学生と呼ばずに生徒って呼びたくなる子たちが京大にもいっぱいいる。『自律のエンジン』が育っていないんです。それを高校までに育てなきゃ。知識・技能だけで国立に何人入れた、医学部に何人入れたなんて喜んでる高校は『ナントカ予備高校』とかに名称変更するべきなんです。とにかく『自律のエンジン』ですよ、人間力ですよ。そこに教師のコーチング力が必要になってくるんです」

 

改革とは、「AをBに変える」ことではないのです。「AとBをandで繋ぐ」ことなのです。

 

 

小山 英樹

株式会社対話教育所 代表取締役

一般社団法人日本教育メソッド研究機構(JEMRO) 代表理事

一般社団法人日本青少年育成協会(JYDA) 会員

※本連載は、小山英樹氏の著書『教室改革』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

教室改革

教室改革

小山 英樹

幻冬舎メディアコンサルティング

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