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なぜこんな遺言を作ったのか?納得してもらえる理由
でもなぜお父さんはこんな遺言を作ったのか、その理由がわかれば、次男と三男も納得するかもしれません。その理由を付言事項に書くことができます。
例えばこのようなエピソードを書いたら、どうでしょうか。
「長男が大学進学を考える頃、家計が苦しかった。そこで長男が、自分は大学進学をあきらめて就職するかわりに、次男と三男を進学させてくれるよう頼んできた。そして、このことは絶対に2人には言わない、という約束をした。
長男の働きで、次男と三男はそれぞれ大学に進学し、立派な企業に就職できた。家計が苦しかったのは自分のせいなのに、長男は黙ってずっと支えてくれた。そして、老後の自分の面倒もみてくれた。
そんな長男にできることは、今ある財産を相続させるくらいしかできない。長男だけをえこひいきしているのではない、ことをわかって欲しい。3人、これからも仲良くしてほしい。」
遺言書にこのようなエピソードが書かれている場合と、全く書かれていない場合、どちらの方が円満に相続できるかは、瞭然だと思います。
遺言書にはぜひ、メッセージと、なぜ財産分割をそのようにしたかという理由を書いてください。
そうすれば相続人全員が財産分割に納得する、と保証はできませんが、遺言書を書いた人や、財産を貰うことになった人への疑念が亡くなり、相続トラブルを防ぐことにつながります。
遺産分割の割合や、自分の気持ちをどう伝えたらいいか、困った時には専門家に相談をしましょう。
きっと、依頼者であるあなたの気持ちが伝わるような、遺言書の作り方のアドバイスをもらえるはずです。
■動画でわかる「遺言書にはメッセージを残す」
天野 清一
税理士法人・都心綜合会計事務所
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