(写真はイメージです/PIXTA)

3人の息子をもつ父が「長男に全てを相続させる」と遺言書にのこしたら、次男と三男は不満に思うこと必至です。ここでは、相続トラブルを防止する工夫について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・天野清一氏が解説していきます。

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    なぜこんな遺言を作ったのか?納得してもらえる理由

    でもなぜお父さんはこんな遺言を作ったのか、その理由がわかれば、次男と三男も納得するかもしれません。その理由を付言事項に書くことができます。

     

    例えばこのようなエピソードを書いたら、どうでしょうか。

     

    「長男が大学進学を考える頃、家計が苦しかった。そこで長男が、自分は大学進学をあきらめて就職するかわりに、次男と三男を進学させてくれるよう頼んできた。そして、このことは絶対に2人には言わない、という約束をした。

     

    長男の働きで、次男と三男はそれぞれ大学に進学し、立派な企業に就職できた。家計が苦しかったのは自分のせいなのに、長男は黙ってずっと支えてくれた。そして、老後の自分の面倒もみてくれた。

     

    そんな長男にできることは、今ある財産を相続させるくらいしかできない。長男だけをえこひいきしているのではない、ことをわかって欲しい。3人、これからも仲良くしてほしい。」

     

    遺言書にこのようなエピソードが書かれている場合と、全く書かれていない場合、どちらの方が円満に相続できるかは、瞭然だと思います。

     

    遺言書にはぜひ、メッセージと、なぜ財産分割をそのようにしたかという理由を書いてください。

     

    そうすれば相続人全員が財産分割に納得する、と保証はできませんが、遺言書を書いた人や、財産を貰うことになった人への疑念が亡くなり、相続トラブルを防ぐことにつながります。

     

    遺産分割の割合や、自分の気持ちをどう伝えたらいいか、困った時には専門家に相談をしましょう。

     

    きっと、依頼者であるあなたの気持ちが伝わるような、遺言書の作り方のアドバイスをもらえるはずです。

     

     

    ■動画でわかる「遺言書にはメッセージを残す」

     

     

     

    天野 清一

    税理士法人・都心綜合会計事務所

     

     

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