(※写真はイメージです/PIXTA)

相続税申告の際は、亡くなった方の現金等の財産だけでなく、生命保険についてもよく把握する必要があります。ここでは保険にまつわる3つの質問について、税理士の追中徳久氏が回答・解説していきます。 ※本連載は書籍『保険税務のプロによる 相続・贈与のお悩み解決ノート』(ぎょうせい)から一部を抜粋し、再編集したものです。

死亡保険金は一時金で受け取るか、年金で受け取るか

また、会社の福利厚生制度として、契約者が会社、被保険者が役員・従業員、満期保険金の受取人が会社、死亡保険金の受取人が役員・従業員の遺族になっている保険があります。

 

この保険金について、会社の退職金規程で退職金の全部または一部として遺族に支給することが明確になっている場合には退職手当等として500万円×法定相続人の数の非課税枠の適用があります。

 

退職金とされない場合には役員・従業員が自ら保険料を支払っていた死亡保険金として、同じく、500万円×法定相続人の数の非課税枠の適用があります。

 

Q.保険金受取人が被保険者より先に亡くなっていたのに受取人変更をしていませんでした。誰が保険金を受け取ることができますか?

 

保険金受取人が被保険者より先に死亡しているのに、受取人の変更をしていない契約があります。この場合、保険金受取人死亡時の法定相続人が約款に従って受取人となり、また受け取る割合も決まります。現在は法定相続人が均等に受け取る場合が多いです。

 

しかし、相続人であることの証明のための戸籍謄本の取寄せが複雑になるので、忘れずに受取人の変更をしましょう。

 

なお、死亡保険金を一時金で受け取るか、年金で受け取るかについても、多くのご質問を受けます。

 

契約者(=保険料負担者)と被保険者が同じ場合、一時金で受け取っても年金で受け取っても、いったん、一時金の額で相続税課税されます。

 

一時金受取ならこれで課税は終わりなのですが、年金受け取りの場合、相続税課税されなかった部分に対し雑所得としての確定申告が毎年必要となります。

 

どちらが有利かは年金受取総額と一時金額との差額次第なのですが、毎年所得が発生することになると社会保険料等への影響があるほか、また、低金利により差額部分が多くないためか、最近は一時金で受け取る方が増えています。

 

 

追中徳久

日本税務会計学会/生命保険経営学会税理士

保険税務のプロによる 相続・贈与のお悩み解決ノート

保険税務のプロによる 相続・贈与のお悩み解決ノート

追中 徳久

ぎょうせい

相続税の不安を解消! 保険契約者からの実際の相談をベースに、人生100年時代=老老相続に備えるための相続手続について解説。 生命保険の一定金額は、支払時に所得控除、受取時に非課税となるのをご存じですか? 度重な…

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