※画像はイメージです/PIXTA

投資信託は、その道のプロがあらゆる工夫を凝らし、いろいろな特徴を持たせた商品を開発しています。しかし、あまりにも種類が豊富なため、初心者には見極めがむずかしいといえます。ここでは、投資信託の商品選択の基準とすべきポイントを、お金のプロが解説します。

成績好調で信託報酬3% or 成績安定で信託報酬0.7%

信託報酬は利益を目減りさせる「もっとも注意すべき手数料」

投資信託の売買には主に3つの手数料がかかります。購入時にかかる販売手数料、保有中ずっとかかる信託報酬、売るときにかかる信託財産留保額の3つです。

 

信託報酬は、投資信託を運用してもらうための経費のようなもの。多くは年○%と、年額の利率で記載されています。信託報酬の額は、投資信託によって違います。一般的には、国内より先進国、先進国より新興国、インデックスファンドよりアクティブファンドのほうが高く設定されています。

 

信託報酬は、販売手数料のように、購入時にまとめて支払うのではなく、純資産総額のなかから毎日一定の割合で差し引かれていきます。ですから、支払っているという意識はあまりないかもしれません。

 

しかし、信託報酬はせっかくの利益を目減りさせてしまう、もっとも注意すべき手数料なのです。

 

例えば、ある年に5%の好成績を上げた投資信託Aと、3%の安定した成績を上げた投資信託Bがあったとします。どちらが欲しいかと聞かれたら、それはもちろんAのほうですよね。Bもけっして悪い成績ではありませんが、よりよい成績のAがあるのに、あえてBを選ぶ理由は、いまのところ見当たりません。

 

投資信託は長期間運用することが多いから、信託報酬は安いほど有利!

では、Aの信託報酬が年3%、Bの信託報酬が年0.7%だったらどうでしょう。

 

投資信託の最終的な利益は、得られた利益から手数料を引くことで計算します。

 

この場合、単純計算ですが、Aの最終的な利益は「5%−3%=2%」となるのに対し、Bの最終的な利益は「3%−0.7%=2.3%」となります。つまり、トータルで見るとBを買っていたほうが利益は多くなったのです。

 

しかも、この例は1年に限った話です。まずありえない仮定ですが、もしこのような状態が10年間ずっと続いたら、利益の差は単純計算で3%になります。複利効果があるので、正確にはもっと開きます。

 

また、成績がよくなっても悪くなっても、信託報酬の率は一定です。もし、Aの成績が3%に落ち込むと、Aの利益はなくなってしまいます。逆に、Bの成績が5%に上がったら、4.3%の利益を受け取ることができるというわけです。

 

投資信託で得られる利益がどうなるのかは、投資の成果しだいですから、私たちにはどうしようもありません。しかし、手数料は安いものを選ぶことができます。

 

とくに、投資信託は長期間運用することが多いので、信託報酬は安ければ安いほど有利です。同じような内容の投資信託でどちらにすべきか悩んだら、最後は信託報酬の額で決めるのもひとつの手です。

 

投資信託を購入するとき、商品パンフレットを見る機会も多いと思います。パンフレットをよく見るとわかると思いますが、パンフレットには商品の利回りなどプラスの情報は、目立つところに大きく記載されています。

 

いっぽう、信託報酬などのコストについては、パンフレットの裏に小さく記載されているケースが少なくありません。投資信託のコストは運用成果に大きな影響をもたらすので、面倒がらずにしっかり確認するようにしましょう。

 

 

≪Answer≫

「信託報酬の低い投資信託」のほうが、長期的に安定した運用成果が出せる!

 

 

頼藤 太希
株式会社 Money & You 代表取締役

 

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本記事は『2022最新版 投資信託 勝ちたいならこの5本』(河出書房新社)より抜粋・再編集したものです。

2022最新版 投資信託 勝ちたいならこの5本!

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頼藤 太希

河出書房新社

択形式で、投資信託の必勝法を客観的な立場からコーチ。さらに、現行商品を分析し、投資ビギナーにおすすめできる「いま選ぶべき5本の商品」を教えます!最新の情勢がわかる必読書!

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