【関連記事】年収500万円だったが…14万円の年金生活におびえる人、続出
投資対象は「全世界」と「先進国」、どちらがいい?
全世界型投資信託のリスク・リターンは、先進国型と新興国型の中間
一般的には、先進国より新興国のほうがリスク・リターンともに高くなる傾向にあります。ですから、先進国型の投資信託より、新興国型の投資信託のほうがリスク・リターンが高くなります。
「全世界型」の投資信託は、先進国にも新興国にも投資する投資信託ですから、全世界型の投資信託のリスク・リターンは、その中間と考えればよいでしょう。
例えば、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、先進国・新興国問わず全世界の株式に投資する投資信託。投資信託を通してアメリカのETF(上場投資信託)、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)に投資する投資信託です。
このETFは、FTSE Global All Cap Indexという指数を運用目標にしています。
FTSE Global All Cap Indexは、日本を含む先進国・新興国合わせて49か国の大型・中型・小型株から算出される指標です。9400銘柄を網羅しているため、これ1本を買うだけで、間接的にではありますが、9400銘柄にまとめて投資するのと同様の効果が期待できます。
一方、「〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、先進国の株式に投資する投資信託です。
この投資信託は、MSCI Kokusaiという指数を運用目標にしています。
MSCI Kokusaiは、日本を除く先進国22か国の大型株・中型株、約1300銘柄の値動きをもとに算出される株価指数です。したがって、これ1本を買えば約1300銘柄にまとめて投資するのと同じだというわけです。
結局、アメリカ経済の影響を色濃く受けることになるものの…
分散投資によるリスクヘッジの観点から考えると、投資先はなるべく分散されていたほうが有利ですから、全世界への投資のほうがよいとは考えられます。
しかし、じつは FTSE Global All Cap Indexの資産の約6割、MSCI Kokusaiの約3分の2は、アメリカの株式です。多数の国に分散投資している投資信託といっても、結局、アメリカの経済の影響を色濃く受けることになります。したがって、どちらを買ってもあまり変わらないという見方もあります。
あえて優劣をつけるならば、米国市場の上昇時には MSCI Kokusaiのほうが大きく上昇し、下落時には FTSE Global All Cap Indexのほうが下落幅は小さくなる、といえるかもしれません。
リスクヘッジの観点からすれば「全世界へ分散投資」したほうがよい!