※画像はイメージです/PIXTA

投資信託は、投資する国や株式・債券の種類など、商品ごとに特徴を持たせています。購入する場合は、投資信託の組成を確認し、その商品にどんな効果が期待でき、また、どんなリスクがあるのか、しっかり把握しておく必要があります。判断基準となるポイントをお金のプロが解説します。

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投資対象は「全世界」と「先進国」、どちらがいい?

全世界型投資信託のリスク・リターンは、先進国型と新興国型の中間

一般的には、先進国より新興国のほうがリスク・リターンともに高くなる傾向にあります。ですから、先進国型の投資信託より、新興国型の投資信託のほうがリスク・リターンが高くなります。

 

「全世界型」の投資信託は、先進国にも新興国にも投資する投資信託ですから、全世界型の投資信託のリスク・リターンは、その中間と考えればよいでしょう。

 

例えば、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、先進国・新興国問わず全世界の株式に投資する投資信託。投資信託を通してアメリカのETF(上場投資信託)、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)に投資する投資信託です。

 

このETFは、FTSE Global All Cap Indexという指数を運用目標にしています。

 

FTSE Global All Cap Indexは、日本を含む先進国・新興国合わせて49か国の大型・中型・小型株から算出される指標です。9400銘柄を網羅しているため、これ1本を買うだけで、間接的にではありますが、9400銘柄にまとめて投資するのと同様の効果が期待できます。

 

一方、「〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、先進国の株式に投資する投資信託です。

 

この投資信託は、MSCI Kokusaiという指数を運用目標にしています。

 

MSCI Kokusaiは、日本を除く先進国22か国の大型株・中型株、約1300銘柄の値動きをもとに算出される株価指数です。したがって、これ1本を買えば約1300銘柄にまとめて投資するのと同じだというわけです。

 

結局、アメリカ経済の影響を色濃く受けることになるものの…

分散投資によるリスクヘッジの観点から考えると、投資先はなるべく分散されていたほうが有利ですから、全世界への投資のほうがよいとは考えられます。

 

しかし、じつは FTSE Global All Cap Indexの資産の約6割、MSCI Kokusaiの約3分の2は、アメリカの株式です。多数の国に分散投資している投資信託といっても、結局、アメリカの経済の影響を色濃く受けることになります。したがって、どちらを買ってもあまり変わらないという見方もあります。

 

あえて優劣をつけるならば、米国市場の上昇時には MSCI Kokusaiのほうが大きく上昇し、下落時には FTSE Global All Cap Indexのほうが下落幅は小さくなる、といえるかもしれません。

 

≪Answer≫

リスクヘッジの観点からすれば「全世界へ分散投資」したほうがよい!

 

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本記事は『2022最新版 投資信託 勝ちたいならこの5本』(河出書房新社)より抜粋・再編集したものです。

2022最新版 投資信託 勝ちたいならこの5本!

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頼藤 太希

河出書房新社

択形式で、投資信託の必勝法を客観的な立場からコーチ。さらに、現行商品を分析し、投資ビギナーにおすすめできる「いま選ぶべき5本の商品」を教えます!最新の情勢がわかる必読書!

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