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返還予定の軍用地は買い?
最近、返還予定の浦添市の牧港補給地区、宜野湾市の普天間飛行場、北谷町のキャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧の軍用地を購入する投資家が増えています。その理由は、これらの返還予定地は沖縄の大動脈である国道58号沿いに位置しており、区画整理されれば県内の一等地に生まれ変わるといわれているからです。
また、返還後は政府が責任を持って危険物質を取り除いた上で、所有者に土地を引き渡すことになっています。その引き渡しから最長3年間は、給付金として軍用地料が支給され、さらに区画整理事業の認可で土地の使用・収益が見込まれる時期までは特定給付金がもらえるという厚遇ぶり。これは、他県の返還予定地にはない、沖縄だけの特権です。
それも相まって、返還予定の軍用地の相場は高止まり傾向になります。返還予定の軍用地への投資は、返還後の跡地利用計画と予算の裏付けがあってこそ。現在、それらの返還予定地は、沖縄県、市、町が共同で計画策定に取り組み、学識経験者や地権者、県民・市民、関係機関などと一緒にどうしていくかを考えています。跡地計画には、リゾート、医療、商業施設などを建設するという絵が描かれているそうです。
しかし、計画が決まったとしても、その計画を実行するには、民間資金はもちろんのこと、多額の税金の投入が必要です。この跡地利用計画には国の財政支援が確約されていますが、日本政府の予算は歳出が大きく歳入の約半分を国債発行による収入で占めています。
2021年度、すでに国債の利払いだけで税収の15%以上となっており、社会保障費の抑制など歳出削減が急務となっています。さらに新型コロナウイルス禍に伴う経済対策を実施したことで赤字が急増。そのような財政状況が、今後好転するとは考えられません。そんななかで政府がこれらの跡地利用計画にどれだけの予算を割くのかは未知数だといえます。
また、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」によると、これまで沖縄県の総人口は増加ベースで推移してきましたが、2025年前後にピークを迎えたあと、減少に転じるものと見込まれており、人口減少社会となることが予測されています。人口減少が確実な沖縄に新たな商業施設など必要でしょうか。
このように見てみると、「返還後の地価は倍に上がる」という過度の期待は禁物だと考えています。
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