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購入のタイミングを待ってもメリットがないワケ
沖縄の基準地価は、8年連続上昇したものの、上昇率は縮小し全国首位から転落しました。住宅地と商業地で最悪の下落幅を記録。住宅地と商業地の上昇率の縮小に、県は「新型コロナの影響。空室の増加で売買市場の引き合いや、世帯収入の減少による住宅取得意欲の弱まりがある」と分析。工業地の伸びには、人口増加や物流業の増加などを背景とした需要に加え、工業地の少なさが影響しているそうです。
これを読んで、「下落傾向」=「価格が安くなっている」=「今は買い時・始め時である」と考えた方もいるでしょう。しかし、ちょっと待ってください。下がってはいますが、助成金や特別貸付などで、企業はなんとか持ちこたえている現状です。コロナの感染次第ですが、投資環境の見通しがはっきりするまでは、価格は落ち着かないと思います。なので、初心者の方は、この時期は相場を知ることが大切です。また、資金に余裕があり、2筆目の軍用地を検討している方は、相場が安定していない、この時期が10年に一度の「仕込み時期」と考えておくべきです。
私も昨年に、個人用の資産として「キャンプ瑞慶覧(ずけらん)」をコロナ禍で資金難に喘ぐ飲食店の経営者から購入して以来、今年4月に、販売価格も手頃で「嘉手納飛行場」の相場が58倍のところ、48倍で売りに出ていました。ありえない物件情報に「嘉手納弾薬庫」の間違いでないかと目を疑い、速攻で電話をかけてみましたが、営業時間外ということもあり、連絡がつかなかったので、資料取り寄せのメールを打ちました。翌日、資料が送られてきました。どうしても欲しかったので、販売価格より高い価格をつけて、買付証明書を出しましたが、結果は、失敗でした。
原因は、どうしても欲しい物件の場合は、メールで問い合わせするのでは、遅かったことです。翌朝、不動産会社の営業開始前に、会社の前で待つぐらいのことをしないと手に入れることはできないのです。
以前、軍用地の人気が殺到していたころ、実際に開店する2時間前から、根気強く待っていた人の話を聞いたことがあります。
私は、購入するタイミングを逃しましたが、そのときは「次、買えるタイミングはやってくる」と軽く考えていました。ですが、いまでは「あのときに買っておけばよかった」と非常に後悔しています。
こうして価格が安くなっているいま、下落傾向にある物件価格を見ると、二の足を踏んで「この次でいい。次のタイミングを待とう」という心理が働くのも当然です。
しかし、価格が下がりきるのを待つとなると、それはいつになるのでしょうか?
どの投資においても、一番底値で買い、高値で売るというように相場の絶好のタイミングをつかむことは難しく、プロの投資家であっても完璧になせる業ではありません。投資においては、タイミングを読み切ろうとして、投資を始める時期が遅れてしまうことこそが大きな「損」であるといえるのです。
ここで、一つ想像してみてください。今年、あなたが軍用地投資をスタートしたとします。今年から地料が発生し、100万円とすると地料は毎年上がっていくので、5年続けると500万円以上が入ってくることになります。これはあくまでもいまの時点で投資を始めたと考えた場合の例です。
しかし、「もう少し価格が下がるのを待とう」と思って5年後に投資を始めたとしたらどうでしょうか。この時点で資産形成としてはすでに500万円も出遅れてしまっていることになります。もし、5年の間に価格が下落し、5年前に5000万円で売られていた物件が4000万円まで下がっていれば、やっと同じスタートラインとなります。
しかし、現実的に考えてみると、5年のうちに同条件の物件価格が20%も下がるでしょうか。よほどのことがない限り、軍用地の世界ではあり得ません。実際のところ、軍用地は流動性が高いこともあり換金しやすいので、この1年で4~5%程度の下落でしたが、300万円以下の物件は、ほとんど下がってはいません。
ということは、価格が下がりきることを待つよりも、いま、皆が様子見している時期に投資を始めていち早く資産形成を始めるほうが、機会損失がなく、効率的であるといえるのです。事実、資金が潤沢にある投資家は、時期をずらしながら、施設を分散しながら軍用地を購入しています。これが一番賢明な買い方です。先ほど説明したとおり、一番底値で買い、高値で売るという相場のタイミングを図るのは、投資のプロも困難です。施設ごとの相場も刻々と変わるからです。
軍用地の販売価格が下がるのを待ってから購入を考えている人は、いつになっても購入することはできないでしょう。軍用地は「買えるときに買いなさい!」が私の考えです。
仲里 桂一
軍用地投資コンサルタント
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