年前半にほぼ一本調子で上昇し過去最高値更新
■2021年のリート市場は上昇し、配当込みでJリート、グローバルリートともに過去最高値を更新しました。年初から12月8日までで東証リート指数(配当込み)は19%、S&Pグローバルリート指数(配当込み)は米ドルベースで28%、円ベースで41%上昇しており、グローバルリートの好調が目立ちました。
■年前半は新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大や、米国を中心に長期金利が大きめに上昇する局面がありました。しかし、2020年の大幅な下落からの戻りが株式と比べて遅れていたこともあってリート市場はほぼ一本調子での上昇となり、年央にはJリート、グローバルリートともに配当込みでコロナ前の高値を超え過去最高値を更新しました。
■一方、年後半には新型コロナウイルスの感染が世界的に徐々に鎮静化し、長期金利の上昇も落ち着いたものの、リート市場の上昇はJリート、グローバルともに大きく鈍化しました。米連邦準備制度理事会(FRB)のテーパリングや、中国の不動産セクターへの懸念、日本では公募増資による需給悪化などが重しとなりました。
現地通貨ベース、円ベースともに米国がけん引
■国・地域別では現地通貨ベース、円ベースともに米国が好調でした。順調な経済回復や、年前半の緩和的な金融環境と大型の財政政策がリート市場を押し上げました。カナダ、英国、豪州なども好調でした。一方、特に年後半にかけて中国の不動産セクターへの懸念が高まったことから、香港、シンガポールなどは相対的に小幅な上昇にとどまりました。円安を受け、いずれの国・地域でも円ベースのリターンは好調でした。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『今年のマーケットを振り返る ~リート市場』を参照)。
(2021年12月10日)
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