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親子間のお金の貸し借りが「贈与」とされるケース
通常のお金の貸し借りでは、借りる側から貸す側に一定の利息を支払います。これを「金銭消費貸借契約」といいます。
しかし親子間の貸し借りとなると、利息を支払うことはほとんどないでしょう。そうすると、その「利息」に相当する金額の「贈与があった」とされてしまいます。
国税庁では、利益を受ける金額が少額である場合は、贈与税の対象としないことを定めているため、親から10万円を無利息で借りたくらいでは、贈与税の対象にはならないのですが、金額が大きいときの無利息での貸し借りとなると注意が必要です。
また、利息ではなく、貸してもらったお金そのものが贈与税の対象になるケースもあります。
娘に1千万円を貸していて、これまで1円の返済もされていないし返済される予定もないとなれば、この1千万円は、丸々娘さんに贈与したものとして扱われてしまい、「利息の贈与」どころの話ではなくなります。
特に、返済がされていない、返済期限もない、契約書もない、返済方法も出世払い…というような不確定なものである場合、貸したお金そのものが贈与とみなされる可能性が高くなります。
「贈与」と見なされないためのポイント
貸してもらったお金を贈与とみなされないためには、以下の3点に注意する必要があります。
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●実際に返済がされているか
●金銭消費貸借契約書があるか
●金銭消費貸借契約書に返済期間が明記されているか
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つまり、どんなに高額な貸し借りであっても、きちんと金銭消費貸借契約を結んで行う「真の金銭貸借」であれば、贈与を疑われることはありません。
親子間での貸し借りでも、金額が高額だと利息に相当する額が贈与税の対象になったり、いい加減な約束で借りっぱなしになっていると、借りた金額そのものが贈与税の対象になったりしますので、十分注意しましょう。
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天野 清一
税理士法人・都心綜合会計事務所
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