(※写真はイメージです/PIXTA)

人気犬種ランキングで上位に位置するダックスフンド……飼っているとき注意したい疾患に「椎間板ヘルニア」があります。獣医師として数々の動物の命と向き合ってきた中村泰治氏が、「椎間板ヘルニア」のサインや特徴を解説するとともに、治療やリハビリの方法について専門家の見解を紹介します。

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激しい痛みや麻痺がおこる椎間板ヘルニア

【椎間板ヘルニア】

気になるサイン

・麻痺がある

・後ろ足を引きずっている

・抱きかかえると痛がる

・体のバランスを保てない

・腰が丸い

・首が上がらない

・自力で排尿ができない

 

椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板という組織の一部が飛び出してしまい、脊髄神経を圧迫してしまう病気です。ダックスフンドやビーグルなどの犬種で多いことが知られています。

 

ヘルニアがどこで起きているか、どこの神経にダメージが出ているかによってさまざまな症状が起こります。最もよく見られる症状は麻痺です。麻痺にもさまざまな段階があります。

 

例えば、まだ歩ける段階であれば、足の甲をつくなど不自然な歩き方をするようになることがあります。麻痺がさらに進行すると、完全に後ろ足を引きずって歩くようになる、あるいは立つことができない、動けなくなって横倒しになるなど幅広いパターンが考えられます。

 

一方で、ヘルニアの程度が軽いときは、麻痺まで至らずに痛みだけが生じることもあります。この場合では、抱き上げたり触ったりしたときなどに「キャン!」と大きな鳴き声をあげて痛がったり、怒ったりします。

ヘルニアになりやすい犬種…ダックスフンド、ビーグル

椎間板ヘルニアの診断には、まずは問診や触診を行い、実際に痛みが出ている個所や麻痺の有無を探します。

 

そのうえで、神経学的検査を実施します。具体的には姿勢反応といって左右の前足、後ろ足がちゃんと地面を認識して着地できているかなどの検査をします。次に脊髄反射といって脳を介さず脊髄内で完結する反射の強弱から、脊髄のどの位置に病変があるのかを調べます。

 

そして、必要に応じて画像診断を行います。特に手術を行う場合には、MRI検査などの画像検査は必須です。ヘルニアの箇所や程度、脊髄の状態、出血の有無など正確な情報を得てから手術を行います。

 

なお、犬種は病気を見極める際に有効な情報のひとつです。椎間板ヘルニアの場合はなりやすい犬種がある程度決まっていて、ダックスフンドが最も多く、次いでコーギーやビーグルなどがかかりやすく、大型犬では比較的少ない傾向にあります。

 

椎間板ヘルニアの治療法は重症度によって変わってきます。痛みだけで麻痺がないケースでは、痛み止めの内服薬を使用して安静を保ちます。麻痺まで出ていたり、痛みを繰り返したりするケースでは手術が適応になります。

 

手術では、背骨の一部を削って、飛び出している椎間板を取り除く手術や椎間板を焼烙して脊髄内の圧を下げるPLDDという低侵襲的な手術などがあります。重症度やヘルニアの部位、発症部位の数、麻酔リスクなどから術式を決定します。

 

いずれにしても椎間板ヘルニアは、進行して重度の麻痺に陥り、前足・後ろ足が完全麻痺になった場合は、手術をしても麻痺が戻らず歩けなくなってしまうケースもあるので、特に麻痺がある場合は様子を見ずに、なるべく早い受診をお勧めします。

 

〈脳神経科 獣医師 大竹大賀先生〉

 

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    ※本連載は、中村 泰治氏の著書『もしものためのペット専門医療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    もしものためのペット専門医療

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    中村 泰治

    幻冬舎メディアコンサルティング

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