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2021年7月1日、中国共産党建党百周年
2021年7月1日は中国共産党建党百周年にあたる日だった。6月15日現在、全国に散らばる党組織は486.4万(2019年末比18.2万増)、党員数9514.8万人(同323.4万人の大幅増)。党中央委員会(党中央)は2020年1月以降の入党者の80%以上が35歳以下の若者層であることを強調し、「世界最大のマルクス主義政権党」と自負している。
11月上旬に開催された第6回中央委員会全体会議(6中全会)は党史上第3の「歴史決議」を採択し、5年周期の指導層交代となる2022年開催予定の第20回党大会(20大)に向け、習近平氏の国家主席3期目続投が確実になったとの見方が支配的になっている。
厳しい外交環境と保守化傾向
習近平国家主席は軍事パレードを好むと言われているだけに、7月1日の天安門での祝賀行事で軍事パレードがなかったことは意外に受け止められた。習政権になって頻繁に軍事パレードを行った結果(2012年以降5回)、その国内を鼓舞する効果が薄れていること、および現下の厳しい外交情勢を意識し、対外的に無用な摩擦が生じることを避けたものだろう。
ただ祝賀行事での習氏は人民服をまとい、その演説も、「中華民族が屈辱に耐える時代は繰り返さない」「外来勢力が中国人民を辱め、圧迫し、奴隷化することを決して許さず、そうした妄想は中国人民が血肉で築いた鋼鉄の長城で頭を割られ血を流すことになる(頭破血流)」「教師面をしての傲慢な説教は決して受け入れない」など、対外強硬姿勢を示して国内を鼓舞しようとする激しいものだった。
2019年以降の対香港に加え、対台湾でも強硬姿勢を強めている。10月9日人民大会堂での辛亥革命110周年祝賀式典前、4日間で150機の軍用機が台湾防空識別圏を飛行。
かつてない規模と頻度で、直後の式典での習演説が注目されたが、台湾問題への言及は2011年百周年時の胡錦濤演説に比べ、「武力統一」という用語こそ使わなかったが、「‘台湾独立’分裂が最大の障害で、民族復興の深刻な隠れた危険。自国の歴史に無知で(数典忘祖)、祖国を欺き、分裂を企む者に良い結末(下場)があったことはなく、必ず人民に唾棄され歴史の審判を受けることになる」など(演説中、この部分で最も大きな拍手)、より強硬な表現を使用。親中色が強い海外華字誌は、「和平統一」という文言は決して一定の軍事介入の可能性を否定するものではないと論評した(注1)。
(注1)2021年10月9日付多維新聞。
文革時代の模範劇再上演も…文化面の保守化が顕著に
文化面では、全国映画館に「紅日」「金剛川」など愛国主義的映画の上映、また劇場に「白毛女」「紅色娘子軍」など文革時代のいわゆる模範劇(様板戯)の再上演を指示。様板戯は当時の極左的立場を体現した劇で、四人組(幇)の1人だった江青も好んだと言われるが、改革開放以降、ほとんど顧みられることはなかったものだ。
各地の党組織が党の歴史を回顧し称賛する活動を行うことが奨励され、例えば天津では、かつて朝鮮戦争で米国に対抗し朝鮮を助けたことを映像化した「鴨緑江を渡る」、重慶では「百団大戦」「革命者」など、各地で「建党百周年優秀映画」を鑑賞。厳しい外交情勢の下、国民の党への団結(凝集力)を高めるための方策の1つとして、対外的な「憎しみ」「敵対意識」を煽る文芸作品を再度持ちだした。
この他、貴州(毛沢東が長征の途中で支配権を確立したとされる遵義会議が開かれた地)、江西(毛沢東の革命根拠地とされる井崗山がある)など、党の革命の歴史にゆかりのある地への「紅色旅游」が奨励され、実際に多くの人が訪れている。
文化旅游部によると、上半期予約はコロナ前の2019年比35%増、1980年代生まれ(80後)と90後が全体の7割、00後は2019年同期比2.5倍と若者層が大幅に増加。10月国慶節連休期間の旅行者総数はコロナ感染再発の恐れで旅行を控える動きがみられ延べ5.15億人、19年同期比7割の水準だったが、そのなかで紅色旅游熱は続き前年同期比3.3倍、うち20%は25歳以下の予約で同期間として最高を記録した。
紅色旅游は04年に提起されたが、百周年に合わせ、文化旅游部はこうした地への航空便の増発、空港やホテル、交通網など旅行インフラ整備に力を入れている。5月は、AFPなど外国メディアを陝西省延安の視察に招き、対外的にも「革命の聖地」を宣伝した。
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