(※写真はイメージです/PIXTA)

経済情報のあれこれについて解説する人は、だいたい「経済学者・景気予想屋・株価予想屋・トンデモ屋」の4つに分類可能です。投資に興味を持つ人なら、専門家の意見を聞きたいでしょうが、堂々と持論を展開している専門家が、4つのうちのどこに属しているのかを知っておくことは、とても重要です。それぞれの特徴と役割、個人投資家が参考にする方法を、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

幅広い視野で景気動向を探る!「景気予想屋」

景気予想屋は、経済指標を幅広く見ます。景気は大きな流れなので、上を向いている指標と下を向いている指標が綱引きをしているときに、どちらが勝つのかを予想するのが主な仕事だといっていいでしょう。

 

景気は自分では方向を変えないので、財政金融政策が景気の方向を転換するのか、海外の景気動向が国内景気の方向を転換するのか、といったことを考えるわけですが、そのためには幅広い視野が必要なわけです。

象のシッポだけ見て象を論じる!?「株価予想屋」

一方で、株価予想屋は限られた経済指標を集中的にしっかり見ます。たとえば、米国の鉱工業生産と雇用統計は、景気予想屋にとって同じくらい重要な統計ですが、生産統計が発表されても株価が動かないので、株価予想屋は生産統計を見ずに雇用統計の予想に神経を集中します。

 

株価は美人投票の世界なので、他の投資家が見ていない指標に注目しても利益につながらないため、ほかの投資家が注目している指標に注目するのが投資家には重要なのです。そうして多くの投資家が生産を見なくなると、ますます生産統計を見る投資家が減っていく、といったことが起きているわけですね。

 

象の尾だけ見て象を論じているようなものなのですが、株で儲けるためにはそれが重要なのだ、ということのようです。

じっくり型の景気予想屋、スピード重視の株価予想屋

経済指標は振れますから、景気予想屋は経済指標の発表に一喜一憂しないように訓練されます。流れが変わったのか否かの判断は、数ヵ月分の統計をじっくり眺めて下すべきだ、というわけです。

 

一方で、株価予想屋はそんなことをしていたら株価が先に動いてしまいますから、一喜一憂しなければなりません。タイミングが重要なのです。

 

そこで、景気予想屋は株価予想屋のことを「雨が降ると洪水を心配し、雨がやむと水不足を心配する人々」だと考えています。一方の株価予想屋は、景気予想屋のことを「堤防が決壊してから洪水を心配しはじめる人々」だと考えているかもしれませんね。

 

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