(※写真はイメージです/PIXTA)

経済情報のあれこれについて解説する人は、だいたい「経済学者・景気予想屋・株価予想屋・トンデモ屋」の4つに分類可能です。投資に興味を持つ人なら、専門家の意見を聞きたいでしょうが、堂々と持論を展開している専門家が、4つのうちのどこに属しているのかを知っておくことは、とても重要です。それぞれの特徴と役割、個人投資家が参考にする方法を、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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経済を語る人たちは「4つのグループ」に分けられる

経済を語る人は大勢いますが、自社の売上や自分の給料等々について語る人を除くと、彼らは大きく4つに分類できると筆者は考えています。経済学者、景気予想屋、株価予想屋、トンデモ屋です。

 

4つのグループは、一般の人から見ると似ているように見えますが、じつは違うところも多く、そしてお互い仲が悪いのです。筆者は景気予想屋の末席に位置しているので、以下では他の3つを批判していきます(笑)。

現実より理論を重視…意外と誤謬も多い「経済学者」

経済学者は、現実より理論を優先しますので、生きた経済を理解していない人が多いようです。あと100年も経つと、経済学が生きた経済を説明できるようになると期待していますが、現時点では経済学がわかったら経済がわかる、というものではなさそうです。

 

ひとつには、経済が複雑すぎるので、理論構築のために単純化の仮定を置いているのですが、それが行きすぎているのです。たとえば「人々は全ての情報を知っていて、取引にコストがかからないとすると、世界中のリンゴの値段は同じになるはずだ」などと平気で言うわけです。

 

もうひとつ、人々が合理的に行動するという仮定を置いている点も問題です。心理学とのコラボレーションが進めば、「景気は気から」といったことが経済学で説明できるようになると期待していますが。

ビジネスモデルはズバ抜けているが…「トンデモ屋」

トンデモ屋は、つねに大恐慌を予言しつづけているような人々です。ビジネスモデルとしては優れていて、一定の固定客が必ずいますし、話が面白いのでマスコミなども取り上げてくれることが多いでしょう。「嵐が来ます」のほうが「晴れのち曇り、所によりにわか雨」という話より顧客受けしますから。

 

彼らは、予測する必要はありません。常に大恐慌を予言し続ければいいからです。問題は話の内容が面白いことであって、結論が当たるとは聞き手も思っていないわけですから。それでも時々リーマン・ショックが起きたりしますから、そのときには「昔から私が予想していた通り、大不況になりました」と言えばいいわけですね。

 

このように優れたビジネスモデルなので、筆者もトンデモ屋に転向したい気持ちはあるのです。いまのところ自尊心が邪魔をして実現できていませんが(笑)。

 

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