(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ感染拡大が一定の落ち着きを見せてはいるものの、働く人々はいまだ苦しい生活を余儀なくされている現状があります。雇止め、給与削減……資金繰りが厳しいなか、「住宅費用」の負担は家計に重くのしかかっているのです。

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コロナ禍「住宅費用が高すぎる」の悲鳴

一昨日、琉球新報の『「家賃が払えない」那覇市の困窮相談8000件 前年比の8倍に コロナ影響で収入減』がYahoo!ニューストピックスに掲載され、大きな話題となりました。沖縄県那覇市に居住の生活困窮者を支援する、サポートセンターへの相談件数が、前年度の8倍に上ったことが報道されたのです。

 

このニュースを受けネット上では「コロナで給与が下がっても住宅費用は据え置き。もう払えない」「住宅ローンも家賃も高すぎる」といった声が相次ぎました。

 

国道交通省住宅局は平成30年、住宅費用について「生活必需品を切りつめるほど苦しい」、「ぜいたくはできないが、何とかやっていける」、「ぜいたくを多少がまんしている」、「家計にあまり影響がない」の4段階評価を選択する方式で調査しました(『住生活総合調査結果』)。

 

①住宅ローンのある持ち家

住居費負担に対する評価を見ると、「ぜいたくはできないが、何とかやっていける」が56.2%と最も高く、「ぜいたくを多少がまんしている」25.2%、「家計にあまり影響がない」12.4%、「生活必需品を切りつめるほど苦しい」5.6%と続きます。

 

実際の費用感はいくらか。国土交通省『平成30年度 住宅市場動向調査』によると、住宅ローン年間返済額は全国平均で116.5万円、三大都市圏平均で131.6万円です。

 

建物別に見ていくと、分譲戸建住宅取得世帯で平均116.7万円、分譲マンション取得世帯で平均130.9万円となっています。中古住宅のローン年間返済額は、中古戸建住宅取得世帯で平均115.3万円、中古マンション取得世帯で平均104.3万円です。

 

②借家

住居費負担に対する評価を見ると、「ぜいたくはできないが、何とかやっていける」が50.5%と最も高く、「ぜいたくを多少がまんしている」22.4%、「家計にあまり影響がない」16.2%、「生活必需品を切りつめるほど苦しい」7.8%と続きます。

 

総務省統計局『平成30年住宅・土地統計調査』によると、居住用借家の1ヵ月あたりの家賃・間代は全国平均「5万5,695円」です。

 

都道府県別に見ていくと、最も高額となったのは東京「8万1,001円」。神奈川「6万8,100円」、埼玉「5万9,358円」、千葉「5万7,421円」と続きます。

 

一方賃料の低い県について見ていくと、高知「4万255円」、岩手「3万9,990円」、島根「3万9,797円」、山口「3万9,559円」、秋田「3万9,404円」、宮崎「3万8,353円」、青森「3万8,264円」、鹿児島「3万7,863円」となっています(関連記事『47都道府県別「家賃ランキング」…東京と鹿児島の恐ろしい差』)。

「強制執行の末、住む家を失う」

国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査結果』によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は433万円で、2年連続の減少となりました。

 

前述の住宅費用に関する調査はコロナ前の平成30年であったものの、それでもなお「日本に住む人々」の苦しい生活が露わになっています。2年にもわたって多くの人が苦境に立たされたコロナ禍。現状がさらに悲惨であることは容易に想像がつきます。

 

住宅ローンであれ、家賃であれ、家計の負担は甚大です。持ち家、賃貸ともに、ローンや家賃の支払いが一定期間滞れば、最悪の場合は強制執行の末、住む家を失ってしまいます。

 

コロナ感染拡大が一定の落ち着きを見せている現在ですが、経済・資金繰りの急激な回復には当然至りません。困窮者への早急な対応が求められています。

 

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