※画像はイメージです/PIXTA

高齢者が要介護状態になることをできる限り遅らせることを「介護予防」といいます。介護予防には、早期のアプローチが大切です。もしも表れたら、地域包括支援センターへ相談したい「サイン」について、介護事業を運営する、株式会社アテンド・代表取締役の河北美紀氏が解説します。※本記事は、書籍『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)より抜粋・再編集したものです。

「介護予防」のためのサービスと日頃の心がけ

介護保険の「総合事業」とは

 

介護予防・日常生活支援総合事業には介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業の2種類があります。それぞれの心身の状態に合った介護予防サービスが受けられますので、要介護状態にならないよう現状維持・改善を目指し、積極的にサービスを活用しましょう。

 

[図表3]介護保険総合事業の対象者とサービス内容

 

生活の質を高める生活習慣

 

介護が必要になる原因の多くは、脳血管疾患、認知症、ロコモティブシンドローム、心疾患です。こうした疾患を予防するためには、効果的な運動、社会活動、食事の栄養バランスが重要となります。

 

65歳以上の高齢者数は、2025年に3677万人となり、日本の人口の30%を超える見込みです。健康寿命を延ばし、生活の質を高めることが日本全体の課題でもあります。以下のことに気をつけて日常生活を送ってもらうようにしましょう。

 

①睡眠時間を確保する

 

成人に必要な睡眠時間の目安は6~8時間ですが、加齢とともに睡眠が浅くなります。午前中に日光を浴び、食事時間を規則正しく、寝室の室温や照明を調整するなどして一定の睡眠時間を保つよう心がけましょう。

 

②適正体重を維持する

 

一般的に適正体重は22×身長(m)×身長(m)で求められ、年齢ごとのBMI(肥満や低体重の判定)は70歳以上で21.5~24.9とされています。高齢者の低体重は筋力低下につながり、口腔機能や身体機能の低下のきっかけになります。定期的に体重測定をしてリスクを回避しましょう。

 

③塩分を取りすぎない

 

高齢者の塩分摂取量は、1日6グラムが目安とされています。高齢になると腎機能が低下するためです。日頃から減塩を心がけましょう。成人男性は8グラム、女性は7グラムが目安です。

 

④アルコールを取りすぎない

 

高齢者の過度な飲酒は健康寿命に影響し、脳血管障害・骨折・認知症などを発症するリスクが上がります。週に2日は休肝日をつくり、飲む日でも缶ビールなら1本以下、食事と一緒にゆっくり飲むようにしましょう。

 

⑤他人と交流する

 

積極的に町内会や行事に参加することで、会話の頻度が増え、日常生活にハリが生まれます。また、自分の居場所や役割があると生きがいを感じることができます。

 

⑥定期的に運動する

 

歩行などの身体活動は、寝たきりや死亡のリスクを減少させる効果があります。約10分の歩行で、おおむね1,000歩となります。毎日6,000歩を目標に、散歩を行いましょう。

 

⑦喫煙をしない

 

喫煙は呼吸器疾患の原因となり、肺や免疫系へ悪影響を及ぼす可能性もあります。できることなら喫煙はさけましょう。

 

 

河北 美紀

株式会社アテンド 代表取締役

 

 

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