融資をする銀行にとって「公務員」は最高クラスの属性!?
不動産運用は、「ミドルリスク・ミドルリターン」または「ミドルリスク・ロングリター
ン」と表現されることがあります。数千万円から数億円を費やす代わりに、家賃という数
十年間の安定した利益を見込めるからです。とはいえ、数千万円といえば一般的には途方もない大きな金額です。
なぜ、「ハイ」ではなく「ミドル」リスクといえるのでしょうか?それは、不動産投資はレバレッジ効果を利用できるからです。通常、投資をはじめるときは、自己資金が必要です。この自己資金が多ければ多いほどリターン、つまり利益も期待できます。では、少ない自己資金で大きな利益を得たい場合はどうすればいいのでしょうか。
たとえば、株取引には信用取引というものがあります。取引する金額の30%を委託保証金として証券会社に入れておけば、その金額の3倍強の取引が可能になります。300万円の委託保証金を入れておけば1000万円の取引ができます。購入した株が1割上がれば、本来30万円の利益が100万円になります。
このように投資資金を借りることで、自己資金の何倍も収益が得られる効果のことをレ
バレッジ効果といいます。不動産投資でも、レバレッジ効果が狙えます。しかも、ほかの投資と比較して圧倒的に大きな効果です。たとえば、一部上場企業の会社員ならば、自己資金の10倍程度まで金融機関が投資資金を融資してくれます。
1000万円の自己資金ならば、10倍の1億円を借りて1億1000万円の物件が購入できます。これは10倍のレバレッジ効果です。不動産投資というものは、初期投資額が多ければ多いほど、より良い立地、広い土地・建物を購入することが可能になります。つまり安定した多くの収益を見込めるのです。
したがって、大きなレバレッジ効果を利用できるということは、不動産投資にとって最大の魅力といっても過言ではありません。しかも、皆さんのような公務員は、日本で最高クラスにそのレバレッジ効果を利用できます。なぜなら、銀行など金融機関にとって公務員は、最高クラスの属性だからです。ここでいう属性とは、銀行などの融資審査の基準となるもので、会社員であれば次のような項目があります。
・勤務先情報:会社名・部署・職種・役職・勤続年数・定年時
・収入:直近3年間の年収
・信用情報:借り入れの状況・残債・返済状況・遅滞の有無など
・住居情報:持ち家か賃貸か
・金融資産情報:預金・株・保険・確定拠出年金など
・家族構成:氏名・続き柄・生年月日・同居・同居でない場合の住所
・連帯保証人:有無
・連帯保証人情報:勤務先会社名・勤続年数・年収
年収の10倍以上の融資が受けられる場合も…
銀行は、これらを考慮したうえで融資をするか否かを判断します。その際、最も重要視
するのは、本人の勤務先といわれています。まず、倒産の可能性が低いこと、さらに高収
入であればより前向きに融資をしてくれるわけです。
私がある銀行担当者に聞いたところ、融資に前向きになる属性の順位は次のようになる
と教えてくれました。
1位 資産家(地主、不動産オーナー)
2位 公務員
3位 医師、弁護士、司法書士、公認会計士、税理士
4位 一部上場の大企業のサラリーマン
5位 中小企業のサラリーマン
6位 自営業
公務員は、医師・弁護士を上回る高い属性となっています。前章では公務員であること
の危険性を書きましたが、それに気付いているのはごく一部の人たちです。銀行は、まだまだ公務員ならお金を貸したいと考えています。
その証拠に前出の銀行担当者は、一部上場企業のサラリーマンなら融資額の限度は自己資金の10倍までだが、公務員なら20倍近くまでいけると言っていました。つまり、20倍のレバレッジ効果です。しかも場合によっては、自己資金ゼロでも年収の10倍以上融資することができるとも教えてくれました。これほどの好条件は、公務員以外聞いたことがありません。
属性に対する評価が高く融資を受けやすいということは、せっかく苦労して見つけた高い利回りの物件が買えない、または融資を受けられるとしても金利が高くなるといった事態を避けることができるということです。
銀行はビジネスで融資を行います。回収の見込みが低いところには決して貸しません。融資を受けられるということは、銀行が不動産投資の成功にお墨付きを与えたことになります。これを利用しない手はないでしょう。