「サービス業」という認識が薄い管理会社も多い
優れた管理会社の条件は、次の2つに限るといえるでしょう。
①クレーム対応力がある
②空室に困らない客付け力がある
実は、各管理会社によってこれらの力には非常に差があります。なぜなら、ほとんどの物件オーナーは、一度決めた管理会社を変更することがないので、業界全体として競争原理が働いていない、さらに昔ながらの家族経営の会社が多いので、サービス業という認識が薄い業者が多いからです。
とはいえ、インターネット社会となった今は、各社の評判を簡単に入手できるようになったので、半端なサービスを提供している業者は淘汰されるようになってきました。
会社のレベルを確認するため、まずは担当者に会う
では、しっかりとしたサービスを提供する管理会社の見つけ方を順を追って説明しましょう。
中古物件を購入すれば、自主管理物件以外は管理会社がいるはずです。その物件を誰よりも知っているのは、現在の管理会社。まずはその会社のレベルを確認するために担当者に会いましょう。
最初の連絡は必ず電話でします。その対応で、会社全体のレベルがわかるからです。担当者がいれば、すぐに会える段取りをしてくれるかどうかを確認します。なかにはのらりくらりの返事で、その日のうちにいつ会えるか回答しない担当者もいます。
担当者がいなければ、折り返しの電話を頼んでみます。これで返信なし、あっても2~3日後なら期待はできないでしょう。ごくたまにですが、病気などで長期不在の場合もあります。この場合は、代理担当を設けるのが一般的。「しばらくおりません」という回答だけならば、やはり信頼できる会社とはいえないのではないでしょうか。
賃貸物件の管理業務は、震災などで急を要するケースもあります。すぐに連絡の取れない会社・担当者は避けるべきでしょう。
担当者に会えたら名刺に携帯番号があるかを確認します。次は挨拶や現状報告などの会話による相性のチェックです。話しやすいか、聞いたことに的確に答えているかなどから今後のパートナーとなり得るかを判断します。
相性に問題がなければ、会社としての客付力を確認します。「1カ月空室が続いたらどうしますか?」という質問をし、納得できる答えならOKでしょう。私の経験上、模範回答は次のようになります。
「空室が出たらすぐに数多くの不動産会社に動いてもらい、入居者を探してもらわなければなりません。私たちは日頃からそのために営業活動をしていますが、1カ月たっても見つからない場合は、オーナー様に広告費として家賃の1カ月分を負担していただいて入居者を見つけてきた不動産会社へ支払うのが効果的です」
入居者募集に対する広告費は、業界内では当たり前にかかる経費となっています。最初は抵抗があるかもしれませんが、1カ月以上空室が続くようなら支払った方が賢明といえるでしょう。