月々の手数料以外の報酬、高額な違約金設定がないか?
一見手数料が低く良心的な管理会社でも、後々になってオーナーを困らせる悪徳業者が存在します。
悪徳業者に共通する特徴は頭を使っていること。そのため一見良心的に見えるのです。
頭を使う先は、契約内容です。月々の手数料以外に支払う報酬が複数ある、またはその報酬が相場よりも著しく高いといったことをはじめ、オーナーを一番困らせるのは、解約時の違約金をかなり高額に設定していることです。
管理会社と交わす契約書には、ほとんどの場合解約条項があります。オーナーは管理会社を信頼できなくなったり、よりよい条件の会社が見つかったりすれば契約を解約したくなります。
しかし悪徳業者の契約書には、「解約の6カ月前までに告知」といった期限に関するものに加え、「違約金として家賃6カ月分」などの違約金を支払う解約条項があります。家賃が1部屋7万円なら6カ月分は42万円。
決して少ない額ではありません。これで、たとえ管理会社に不満があっても解約に踏み切れないというケースが多々あるのです。
一見魅力的な契約に見える「一括借り上げ契約」だが…
テレビCMや新聞広告で「一括借り上げ」「30年間家賃保証」といった文字を目にする人は多いのではないでしょうか。一括借り上げとは管理会社などが、賃貸物件を一定期間にわたって借り上げ、入居者に転貸し(サブリース)することです。常に空室の不安があるオーナーにとっては、魅力的な契約として最近利用するケースが急増しています。
ところが、私たちの会社では一括借り上げ契約をお薦めしていません。その理由には次のようなものがあります。
●定期的な家賃見直し
ほとんどの一括借り上げの契約期間は2年前後です。一括借り上げと聞くと、その建物がある限り一定の家賃収入があると思いがちですが、実際は契約更新ごとに家賃が見直されます。
多くの場合、管理会社が絶対に入居者に困らないという大前提なので低めに設定されます。しかもその設定家賃から管理会社の手数料を引いた金額がオーナーの収入となるので、さらに相場よりも割安になります。
●定期的なメンテナンス
一括借り上げ物件の場合は、管理会社が決めたプランで定期的に清掃や外壁洗浄、防水工事などのメンテナンスが行われます。しかも施工会社は選べません。この費用には管理会社の利益も含まれています。
また、現状の汚れ、傷み具合にかかわらず定期的に行われるので、場合によっては無駄なメンテナンスも行われます。
この話は次回に続きます。