すべてはマルと矢印で表現できる
図解で使う記号は基本的には、マルと矢印です。
仕事図では、部署名、仕事の内容、商品、取引…などの各要素と要素間の関係性を描き表していきますが、それにはマルと矢印があれば十分なのです。四角を使う場合もあるかもしれませんが、マルの変形だと考えればいいのです(図1)。
自分の仕事の要素を書き出したら、共通項のあるもの、似たような内容や性質を持ったものごとにまとめて、ぐるっとマルで囲みます。そのマルにタイトルをつけます。共通項や類似性がひと目でわかるキーワードがタイトルになります。
これで一つのブロックができます。いくつかのブロックができたら、それぞれの大きさを考えます。売り上げの大きいものや中心的な仕事は大きなマルに描き直します。このブロック同士で、互いの関係を考えていくのです。
このマルの配置の仕方で、それぞれの関係・位置・構造などを表現します。
大きなマルが小さなマルを含む構造の「包含」、隣り合う「隣接」、重なり合う「交差」、それぞれ独立した関係を表す「分離」、対比を示す「並列」、親会社と子会社の関係のような「群立」など、さまざまなパターンで構造が表現できます。
ちなみに、四角より、マルのほうが印象がソフトになり、人に受け入れられやすくなります。
マルと四角を混在させる場合も、マルはマル同士、四角は四角同士で、同じレベルの概念を同じ図形で統一することが大切です。
マル同士の配置や構成がある程度決まったら、それぞれを矢印でつないで関係性を表します(図2)。
矢印の使い方で、「連続性」「場面の展開」「思考の流れ」「対立」「双方向性」「拡散」「収縮」など、さまざまなパターンが表現できます。
久恒 啓一
多摩大学名誉教授・宮城大学名誉教授