(※画像はイメージです/PIXTA)

身体的距離を求められ、マスク越しのコミュニケーションが当たり前となった現在。患者から慕われ、選ばれるクリニックのあり方も変わってきているという。ニューノーマル時代が幕を開けたからこそ求められる心のコミュニケーションとは何なのか。マナー講師の廣田友紀氏に解説してもらった。

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子育て中の母親の駆け込み寺となるクリニック

現代はワンオペや孤育てという言葉が表すように、夫や親族の助けを得られず、また、気軽に相談できるような存在がいない環境で子育てを一人で担っている母親も少なくありません。そんな母親にとって、子どもの些細な心配事に耳を傾け不安を取り除いてくれる医師や、安心感を与えてくれるスタッフは心強い存在であり、窮地に陥った時の駆け込み寺でもあるのです。

 

ところで、子育て世代を含め、患者は何を重視してクリニックを選ぶのでしょうか。おそらく、通院のしやすさやクリニックの評判、医療設備の充実さ等が上位に挙がると思います。中でも、医師やスタッフの親しみやすさと感じの良さはクリニックの評判に大きく影響する要素となります。

患者が誠意を感じるとき

では、人はどんな瞬間に親しみやすさや感じの良さを感じると思いますか?

 

それは、相手に誠意が届いた瞬間です。

 

「自分のことを大切に思ってくれている」と、患者やその家族が心で察知した時です。その為には、マナーや接遇(=おもてなし)を身に付け、実践することが重要なのです。

 

ここでは、筆者の実体験を交えながら、患者から選ばれ慕われるクリニックになる為の大切なポイントをお伝えします。

 

ポイント1:笑顔に勝るものはなし

 

筆者も過去に何度も経験がありますが、クリニックを訪れた時に一番残念に感じることは、受付スタッフに無表情で応対された時です。どんなに正しい敬語で話していても、表情の変化が感じられないと非常に冷たい印象を受け、軽くあしらわれている様にさえ感じてしまいます。温かい笑顔で迎えられると、不安な気持ちから解き放たれ、それだけで安心感に包まれるものです。

 

では、人を安心させる笑顔とはどういうふうに作るのか、ここでお教えします。

 

目は少し垂れ目になるような優しい目元で、口角は上げることがポイントです。更に、受付の席についている時はどんな時でも、常に患者から見られている意識を持つことが大切です。ふとした瞬間でも真顔にならない様にいつも口角を上げていましょう。

 

筆者が客室乗務員として勤務していた時、お客様のご搭乗前に機内マイクを通して「お客様が搭乗されますので笑顔でお迎えしましょう!」と全クルーに向けて呼び掛けていました。クリニックのスマイルリーダーというようなスタッフを作って、皆に意識付けするのも良いかもしれません。

 

ポイント2:プラスのイメージを与える言葉

 

結果的に同じ意味の内容であっても、ネガティブワードを使うよりポジティブワードを使うと、感じの良さを演出することができます。

 

例えば、保険証と医療証が手続きの為に必要だった場合、

 

A 「保険証と医療証が無いと手続きができません」と言われた時と、

B 「保険証と医療証があれば手続きできます」と言われた時、

 

受ける印象が全く違うと思いませんか。

 

Aは否定型を使ったネガティブな印象に対し、Bはポジティブな印象です。せっかくなら患者の気持ちを明るくする為にも、ポジティブな言葉を選びたいですね。

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