(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍において世の中のデジタル化が一気に加速しました。この変化に対応できた企業と、そうでない企業の差は広がり、業績や株価が二極化しています。投資の世界でも、激変する環境下では「銘柄選別の目」が強く求められますが、絶対収益を追求する「ヘッジファンド業界」では今後どのような動きが強まってくるのでしょうか。くにうみAI証券株式会社(元IS証券株式会社)の髙橋文行氏が見通しを語ります。

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DX化の波は、ほぼすべての業界に進展する見通し

「写真を1枚、2枚と数えるのはなぜ? むしろピクセル、バイトじゃないの?」と、アナログ世代には笑えない質問を受けるような時代。

 

幼少期からインターネット、スマートフォン、SNSなど情報技術(IT)・デジタル技術に馴染んだ環境の中で生活しているデジタル・ネイティブ世代にとっては素朴な疑問だろう。

 

次世代モバイル通信の5G/6G、EC(電子商取引)、AI(人工知能)による物流の効率化や小売業の在庫管理とレジ無人化、EV(電気自動車)の自動運転など、製造業やサービス業を問わず、ほぼ全ての産業においてデジタル・トランスフォーメーション(DX)化が進展する見通しだ。

 

新興企業が斬新なビジネスモデルで存在感を強め、破壊者(ディスラプター)と呼ばれる半面、破壊される者(ディスラプテッド)との間で、業績の格差が拡大し、株価にばらつきが増大する流れが一段と加速することを示唆する。

DX化の影響により、企業の業績・株価が「二極化」

今後はIT・デジタル技術を用いて、製品・サービスの付加価値、利便性、効率性などを高めて消費者行動の変化に迅速に対応できる企業と、従来型のビジネスモデルから脱却できない企業へ二極化が進むと予想される。

 

今夏には、米国ハイテク企業のGAFA(親会社アルファベットを含むグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と日本株全体の時価総額が逆転した。

 

高い成長力を誇るGAFAの存在感は米株式市場の中でも際立っており、S&P500株価指数の採用銘柄の時価総額のうち、GAFAだけで2割近くを占める。[図表1]

 

[図表1]
[図表1]

インフレ圧力や金利上昇が「銘柄選別」を促進させる

足元ではインフレ圧力や金利上昇など世界的な経済環境に変化が生じてきている。

インフレ先行指標であり世界的な物価や景気動向を示す商品先物指数トムソン・ロイター・コアコモディティーCRB指数は、2021年10月(月足)に233.08となり、2014年11月(254.37)以来、約7年ぶり高水準を付けた。同指数は、原油、金、アルミニウム、大豆など国際商品市況の総合的な値動きを示す。[図表2]

 

[図表2]出所:QUICK
[図表2]出所:QUICK

 

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は9月29日、欧州中央銀行(ECB)がオンライン形式で主催した金融シンポジウムで、米金融政策について、量的緩和策の段階的縮小(テーパリング)開始の条件を満たしつつあるとの見解を示した。

 

 

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※本記事は、「くにうみAI証券株式会社」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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