(※写真はイメージです/PIXTA)

くにうみAI証券株式会社(元IS証券株式会社)の髙橋文行氏は、不確実な時代に備えた資産防衛術として、「ヘッジ・ファンド」などオルタナティブ(代替)投資に関する知識と理解を深めることが必要不可欠になるかもしれないといいます。いかなる市場環境においても絶対的な収益を追い求めるヘッジ・ファンドは、どのように収益を稼いでいるのか。また、運用手法が多様化する背景について見ていきましょう。

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ヘッジ・ファンドが掲げる「絶対収益」とは

「稼ぐに追いつく貧乏なし」―。江戸時代の人気作家だった井原西鶴の言葉だが、昔も今も貧富にまつわる諺(ことわざ)には変りがない。投資においては、高い投資収益の安定的な追求こそが、あらゆるコストやリスクを相殺する源泉と言えるだろう。

 

最近、主要国で徐々にインフレ圧力が強まるなか、欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)など、一部の中央銀行は、量的緩和縮小(テーパリング)へ向けた地ならしを始めており、世界的な過剰流動性に支えられた金融市場に波乱の可能性がくすぶる。

 

ヘッジ・ファンドには、株式現物などの空売りに加え、先物、オプション、スワップ、デリバティブ(金融派生商品)など、金融技術を駆使し、相場の上げ下げに関係なく「絶対収益(アブソルート・リターン)」を目指すものが多い。

 

一方、一般的なロング・オンリーの株式アクティブ・ファンド(投資信託など)は、TOPIX(東証株価指数)などのベンチマークを上回る「相対収益(レラティブ・リターン)」の獲得を目指す。

 

ヘッジ・ファンドが目指す「アブソルート・リターン」は、「絶対に収益を上げる」という意味ではなく、「相対」の反意語として「絶対」という言葉を使っており、「市場のリターンに対する相対的なリターンではなく、絶対的なリターンを得ようとする」投資戦略を意味する。

 

ロング・ショート戦略、マルチ戦略、M&A(買収・合併)などイベント・ドリブン戦略といった、多様な戦略を使って、下げ相場であっても収益を生み出す体制を築いている。つまり市場動向にかかわらず、投資元本を増やすことを目指している。

 

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※本記事は、「くにうみAI証券株式会社」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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