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賃貸経営における「リフォーム」と「リノベーション」の違い

今回は、リフォームとリノベーションは具体的にどう違うのかを見ていきます。※本連載は、佐久川靖行氏の新刊で、2015年8月に刊行された『「出口」から考える賃貸経営の収益改善計画』(カナリアコミュニケーションズ)の中から一部を抜粋し、賃貸経営としてのリフォームの考え方を紹介します。

「リフォーム」は差別化の要因にならない点に注意

家主さんから、リフォームとリノベーションの違いは何? と聞かれることがあります。筆者が考える、賃貸経営におけるリフォームには3つの視点があります。

 

その3つとは、

 

①修繕・修理

②リフォーム

③リノベーション

 

それぞれご説明していきますと、①の修理・修繕は、単純に壊れたものを修理する、汚くなったものを綺麗にするという意味で、破損・汚損を回復する、いわば原状回復のような感覚のリフォームです。前回お話したDECOリフォームは、修理修繕が必要なら少しデザインも考えましょうねというお話です。

 

次に、②のリフォームですが、賃貸経営におけるリフォームとは、〝古いものを今の形に更新する〟というふうに考えています。

 

例えばお風呂にシャワーがない場合、昔はそれでも良かったのですが、今はシャワーが必要だという事でシャワーをつける、和室を洋室にする、洗面台をシャンプードレッサーに変える、水しか出なかった部屋に給湯設備を新設する、などはリフォームに当たるということです。

 

ここで気をつけて頂きたいのは、このリフォームと言われるものは、賃貸経営で言うところの「差別化」要因にはならないということです。

 

例えば、和室を洋室にリフォームしたとします。家主さんからすれば、以前の和室からは劇的に変化したように感じる事でしょうが、元々和室だった部屋を、単に洋室にリフォームしたところで、今の入居者から見れば「当たり前の部屋」になっただけなのです。

 

そこを認識せずにリフォームをすると、賃貸経営で言うところの無駄金リフォームになりやすい種類の工事だと思います。

「リノベーション」は収益力の改善を目的とされる

最後③のリノベーションですが、一般的には、デザイン性の高いものでオシャレな空間にする事を連想されると思います。

 

しかし私が考える賃貸経営のリノベーションは、部屋そのもののデザインは2の次、3の次の話で、一番大事なのは、収益力の改善を目的にされるリフォームだと考えています。

 

収益力の改善というのは、わかりやすく申し上げると、今まで築30年和室2間の2DKトイレ和式・風呂シャワーなし、給湯設備もなし、家賃5万円で3年空きっぱなしのお部屋があったとします。このような部屋だと、入居してくれそうなターゲットは、高齢者世帯、シングルマザー、生活保護受給者などが対象となる可能性が高くなると思います。

 

そのようなお部屋をリノベーションするということは、先ほどの従来のターゲットを変えて、例えば、30代女性キャリアウーマンにしよう、とすることです。

 

ターゲットが明確になればリノベーションのコンセプトが決まっていきますから、それなら1LDKにして、キッチンは大きめのもの、癒されたいと感じている人が多いだろうからペットOKにしよう・・・様々なコンセプトが出てきます。

 

そして、この地域に住みたいと思うような女性はいくらぐらい家賃を出すだろうか? と考えて6.5万だとすれば、それで決まる部屋を作るわけです。

 

つまり、部屋のデザインやリノベーションではなくて、収益構造のリノベーションを行う事が一番大事なことです。

 

そして、そこから逆算して、それに見合ったコストでリノベーションできれば、空室の度に施工をしていき、いつしかマンション全体の入居者層も変化し、収益力も変化していくことによって収益力、ひいては資産価値アップのリノベーションが可能となるわけです。

 

次回は、事例でもう少し具体的に見ていきましょう。

株式会社リクレア・ライフエージェント 代表取締役
宅地建物取引主任士
賃貸経営管理士
ファイナンシャルプランナー 

大手の不動産賃貸仲介管理会社で、最年少店長として全国トップクラスの売上げを上げたあと、28歳で独立。32歳で株式会社リクレア・ライフエージェントを設立。現在の資本金は1億2000万円。直営6店舗を運営するほか、フランチャイズ6店舗を展開する。
国土交通省の賃貸マンションバスツアーや、東北電力の賃貸経営セミナーで講師を務めるほか、東京、大阪、広島、仙台などで「デキル家主さんの空室対策リフォームセミナー」などを開催している。

著者紹介

連載賃貸仲介の現場発!空室対策リフォーム&リノベーション

本連載は、2015年8月25日刊行の書籍『「出口」から考える賃貸経営の収益改善計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

 

「出口」から考える 賃貸経営の収益改善計画

「出口」から考える 賃貸経営の収益改善計画

佐久川 靖行

カナリアコミュニケーションズ

今、お悩みの家主さんへ・・・空室に困っていませんか? リフォームするかどうか迷っていませんか? 下がり続ける家賃に困惑していませんか? 人口減少時代、これからますます厳しくなる賃貸経営。しかし、考え方を変えるこ…

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