薬局と、他のクリニックと…モール内でのトラブル事例
医療モール内のクリニックと調剤薬局の関係が悪化して、クリニックが退去せざるを得なくなってしまった事例もあります。
クリニックの院長と調剤薬局の管理薬剤師との関係が悪化し、調剤薬局から、そのクリニックの患者を後回しにして30分以上待たせるという嫌がらせを受けるようになりました。
患者は調剤薬局で待たされるため、そのクリニックから足が遠のき、クリニックの患者数が減少して退去に追い込まれました。
また、クリニック同士がトラブルになるケースもあります。たとえば、風邪症状の患者さんをどのクリニックで診察するのか、揉めることもあるようです。患者が大人なら内科と耳鼻咽喉科で、子どもなら小児科と耳鼻咽喉科で、患者の奪い合いになってしまうことがあります。
一度開業したクリニックの移転は簡単ではありません。トラブルはなくても、同じビル内のクリニック同士、なにかと気を使うこともありますし、表面上仲よくやっているように見えても、本音ではお互いをよく思っておらず、ストレスを抱えるというのもよくあるケースです。
このような点も踏まえ、医療モールへの開院は一定のリスクがあると覚悟しておいたほうがいいでしょう。
医療モールだからと油断せず、立地を含め慎重な検討を
医療モールであってもなくても、クリニックの開業は立地が非常に大切です。ビルの空中階なら、近くの1階にあるクリニックと比較したとき、通りがかりによる来院が少なくなるのは当然です。
本稿では医療モールの失敗事例ばかりをお伝えしましたが、当然、好立地で繁盛している医療モールも多くあります。既存の競合クリニックや将来的に医療モールができる確率も含め、慎重な吟味が必要になります。
蓮池 林太郎
新宿駅前クリニック 院長
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】