(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、近視用の眼鏡をかけている子供を見かけることは珍しくない。それだけ近視を患う人が増えているということだろう。眼鏡により視力は補えるが、視力低下は別のリスクをもたらす可能性があるという。衆議院議員であり眼科医でもある吉田統彦氏に、近視について社会的状況との関連を踏まえ、要因や危険性、予防法など紹介してもらう。

スマホの使用に制限をかける必要も…

一方で、ブルーライト(以下、BL)には十分な注意が必要です。

 

BLとは、波長が380~500nm(ナノメートル)の青色光のこと。ヒトの目で見ることのできる光=可視光線の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明には、このブルーライトが多く含まれています。

 

私たちの目の角膜や水晶体は、およそ350nm~800nmの波長を透過させますが、それより外側の電磁波(光)は透過できません。つまり、網膜に到達する光の中で、紫外線にもっとも近い強いエネルギーを持つ光が、BLというわけです。

 

デジタルディスプレイから発せられるBLは、眼や身体に大きな負担をかけると言われており、厚生労働省のガイドラインでも「1時間のVDT(デジタルディスプレイ機器)作業を行った際には、15分程度の休憩を取る」ことが推奨されています。

 

約20年前と比較し、省エネ化でLEDが普及したことにより日常生活におけるBLの暴露量が増えています。BLの放出量は各デバイスによっても異なり、パソコンのみならず、現代人の必須アイテムとなりつつあるスマートフォンから発せられるBLにも注意が必要です。(ブルーライト研究会HPより)

 

また過度にBLを浴びると、眼精疲労は勿論、近視化を誘導することもあり、場合によって加齢黄斑変性等の眼疾患のリスクも高まるのです。更に特に夜間のBL暴露はサーカディアンリズム(体内時計)を狂わせ、生活習慣病、うつそしてがんの発生にも影響を及ぼすことが分かっており、加えて、BLは老化を加速させ、脳を損傷させるとする研究結果も最近報告されています。

 

BLがあふれる現代社会全体のムーブメントとして、BLへの暴露を減らし特に若年者のスマホなどの使用に一定の制限を掛ける必要もあると考えます。

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