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銀行の定期預金は資産形成における大きなブレーキ
かつては資産を必ずといっていいほど預けていた定期預金。時代をさかのぼれば、昭和の高度経済成長期には10%を超えるものもあったほど、確実に増やせるものでした。それが今では0.002~0.25%程度にしかなりません。1000万円預ければ1100万円になっていたものが、今ではわずか200円~2.5万円の利息にしかならないのです。これでは増えたといえませんね。
しかし、かつての定期預金神話は根強いようです。医師向けポータルサイト『m3.com』の2017年の意識調査によれば、投資活動をしている医師のうち、実に49.6%もの人が定期預金をしていると答えています。つまり、おおよそ半数の人は、資産形成ができていないのが現実なのです。
他の投資はどうでしょうか? 2位にランクされていたのは投資をしていないと回答した人で32%、3位は株式で30.1%と続きます。1位と2位だけでも8割弱の人が投資をしていません。これは、まだまだ医師といえども資産形成に対して消極的だということになります。
仮に着手している株式の3割の人たちですが、増やせている人はいるのでしょうか? デイトレードの世界では、売買の場では1秒が争われます。瞬間的な変動に対応する必要があるので、少しでも目を離すとチャンスを失ってしまうのです。
短期での売買ではなく、比較的長期の保有を前提にしても、ビジネスの動静には目を配る必要があります。それだけではなく、どの銘柄で勝負するのか、目利きできることも条件に加わってきます。
医師の勤務状況とは非常にハードであり、寝る時間もままならないと聞きます。そのような労働環境のなかで、株の値動きをチェックする時間は到底作れないというものです。定期的に利益を生みだすことにならないでしょう。
近年ではネットショップの運営やアフィリエイトも人気を博しているようです。ただし、これも簡単ではありません。インターネットショップは、店舗がネット上にあるというだけで、実際の商店を経営することと変わりがありません。
商品の選定や仕入れ、在庫管理はもちろんのこと、受注から発送までそのすべてをオーナーがやりことになります。従業員を雇えばいいと考える方もいるとは思いますが、その給料分の利益を捻出できるようになるまでどのくらいかかるのかはやってみなければわかりません。
また、アフィリエイトにしても、その広告を出すブログなどを用意しなければなりません。ブログやウェブサイトを訪問した人がその広告経由で商品を購入するとインセンティブが発生する仕組みですが、訪問者がいなければ意味がありません。
人気のあるブログやウェブサイト作りというのは、非常に手間がかかりますので、本末転倒に陥る可能性もあるのです。この手間こそ、医師にとっては最大の敵なのです。
そもそも、株やネットビジネスというのはやっている人も多い競争の厳しい世界です。そうした市場で数億円を稼ぎ出すということは、至難の業ともいえるでしょう。