ピラミッド建設にも関わったニンニクの力…どこまで凄いのか? (※画像はイメージです/PIXTA)

ニンニクは、血液の流れをスムーズにし、余分なコレステロールを取り除くスコルジンや、抗酸化作用や血液凝固抑制作用のあるアホエン、疲労回復に関わるビタミンB1などが含まれています。生薬名は「大蒜(たいさん・だいさん)」で、胃もたれや腹痛、下痢などに利用され、最近では、高血圧や高脂血症などに効果があることがわかってきました。

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ピラミッド建設労働者にも支給

古代エジプトでもニンニクは重要視されていたようです。紀元前3750年頃に建てられたピラミッドからは、ニンニクの粘土模型が発掘されています。

 

また、ニンニクが疲労回復に効果があることも古くから知られていたようです。古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、ピラミッドを建造する労働者が大量のニンニクやタマネギ、ラディッシュを食べ、これらを買うために多額の銀が支払われたことが、ピラミッドの上に刻まれていたと『エジプト記』で記しています。

 

ピラミッド建造に従事する労働者の為に、建設現場にビールの醸造所がつくられ、毎日大量のビールが消費されていたことは有名ですが、体力を回復させ、健康を維持するためにニンニクとタマネギも毎日配給されていました。ニンニクの配給が滞るとストライキも起きていたそうで、当時、いかに重視されていたかがわかります。

 

また、エジプトで紀元前1500年以前に書かれた、世界最古の薬物治療書『エベルスパピルス』には、22種類ものニンニクの利用法が記され、感染症や疲労、神経系や循環系の病気に効果があることが紹介されています。ニンニクに殺菌作用があることも知られていたようで、傷の消毒にも利用されていました。

 

後世になると、ニンニクは感染症対策としても利用されました。ヨーロッパではニンニクの殺菌作用がこれらや腸チフス、ジフテリアの発生を抑制すると考えられました。1665年にロンドンでペストが流行した時は、ニンニクが感染症予防に使われました。

 

フランスの細菌学者ルイ・パスツールはニンニクに殺菌作用があることを報告しています。また、アフリカのガボンで医療活動に従事した、医師で哲学者、音楽家でもあるアルベルト・シュバイツアー博士は、ニンニクの殺菌作用と殺アメーバー作用に注目して、コレラやチフス、赤痢の治療にニンニクを使っています。

 

第二次世界大戦中のロシアではニンニクを抗生物質の代わりに利用し「ロシアのペニシリン」と呼ばれるようになりました。ロシアは元々ニンニクの栽培が盛んで、刻んだニンニクを病院の枕元に置くという民間療法もあったそうです。

ニンニクと悪魔の伝説

中東の伝承には、悪魔がエデンの園から追い出された時に、悪魔の左足の跡からニンニクが、右足の跡からタマネギが生じた、という逸話があります。悪魔の足跡から生まれたニンニクもタマネギも人類にとっては滋養のある植物です。悪魔の足跡から生えたとはいえ、エデンの園の外の世界にもたらされた恩恵とも言えるでしょう。

 

古代ギリシャのアスリートは競技前にニンニクを食べて気力や体力を高めていましたが、魔術でも利用されていました。古代ギリシアの哲学者で博物学者、植物学者でもあるテオプラストスは、ギリシア人は十字路の石の山の上にニンニクを置いた、と記述しています。このニンニクは、女神ヘカテと、この女神が支配する夜や魔術、月、妖怪などのための夕食としてささげられたのです。この供物によって旅人を悪霊から守り、悪霊を退治すると考えられました。

 

一方、東ヨーロッパでは、ニンニクは神聖な植物で、悪霊から守ってくれるという民間伝承があり、家の窓や軒先などにニンニクを下げる習慣があります。例えば、ルーマニアでは、ニンニクは邪悪なエネルギーや悪霊、幽霊、さまざまな病気から守ると信じられています。トランシルバニアでは、重要な宗教行事(聖降誕祭、復活祭など)の前夜にニンニクを食べる人は、幽霊に悩まされることがない、と考えられています。

 

また、牛の乳房にニンニクを潰した汁をつけると、一年を通して良いミルクが出ると信じられている地域もあるそうです。死者が幽霊にならないように、棺にニンニクを入れる地方もあります。

 

ブラム・ストーカーの怪奇小説『ドラキュラ』では、吸血鬼が十字架やニンニクを避けますが、ニンニクに関するルーマニアの民間伝承が、大きな影響を与えているのかもしれません。
 

 

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環境ジャーナリスト

1966年北海道生まれ。おもに、化学物質や電磁波、低周波音など環境因子による健康影響をテーマに執筆。『シックスクール問題と対策』(緑風出版)など著書多数。スウェーデンのオーレ・ヨハンソン博士(カロリンスカ研究所准教授・当時)と共に日本の電磁波過敏症発症者の実態調査をまとめた共著論文(Pathophysiology. 2012 Apr;19(2):95-100.)を発表

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