下半身の問題は非常にデリケートであり、周辺を扱う医師も、患者に対する言葉には気を遣う必要がある。すると、会話のなかに独特の言い回しや表現が生まれ、時にクスッと笑みがこぼれたり、深く頷かされたりすることもあるという。『野垣クリニック』の院長である野垣岳志氏に、これまで患者から受けた心に残る言葉を、エピソードとともに紹介してもらった。

症状が悪化すると駆け込み寺のように…

「他人に見せる場所じゃないけど見せたい」

 

40年以上内痔核で悩まされていた女性の言葉です。

 

当院に来院される患者さんは長年症状を患っている方が多いです。それまではなんとか市販薬を使って症状を抑えていても、いよいよ症状が悪化してくると駆け込み寺のように受診されます。気になっている症状は人それぞれですが、痛みが出てきたり、出血量が増えたり、脱出の頻度や大きさが悪化した場合などをきっかけに決断されるようです。

 

また、症状はあまり変わらなくても仕事を退職したとか、子供が成人して世話をする用事がなくなったなどの家庭環境の要因で自分の時間に余裕ができた頃に来られる方もいます。

「どこに出しても恥ずかしくないお尻」だと

女性で出産されてから40年以上内痔核の脱出に悩まされている方が来院されました。普段から常に花が開いたように痔核が出ている状態でした。状態が急に悪くなった訳ではないけれど、時間ができたので思い切って治そうと考えられたそうです。

 

術後1ヵ月半ほど経過した頃に「こんなに綺麗に治って本当に嬉しい。このお尻は先生にしか見せられないけど、みんなに見せて感想を聞きたいわ。こんなにスッキリするなら手術前の状態と手術後の今の状態を写真に撮って記念に残しておけば良かった」と言ってとても喜ばれました。これは良い話を聞けたなと思い、それ以来他の患者さんにも「どこに出しても恥ずかしくないお尻ですよ」と言って笑いを誘っています。

 

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