※画像はイメージです/PIXTA

アメリカで開発された、新しいマウスピース矯正装置「インビザライン」。口腔内を3Dスキャナーで読み取り、オーダーメイドの透明なマウスピースを作成し、理想的な歯並びになるまでマウスピースを取り換えながら歯を動かし矯正していきます。ここでは、実際の治療で行われる7つの工程について詳しく見ていきましょう。現役歯科医師が解説します。

いよいよ治療スタート…まずは体に装着感をなじませる

④治療開始

 

マウスピースを発注後、2週間ほどすると治療終了までに使用するすべてのマウスピースが出来上がります。初回はつけ方や取り外し方、注意事項などの説明をして2枚だけお渡しするので、2週間おきに患者さん自身で交換してもらうことになります。1週間で交換するよう指示する医院もありますが、当院では、最初の2枚は2週間おき、と決めています。マウスピースは食事や歯磨きのときを除き、1日20~22時間ほど装着しなければならないため、まずはマウスピースの装着感を体になじませるために、交換のスパンを長く取るようにしています。

 

ちなみにマウスピースの洗浄方法は、歯ブラシでブラッシングしたり、水でサッと洗い流したりする程度で構いません。通常は1~2週間で新しいものに替えるので、そこまで汚れることはありませんが、汚れが気になる場合にはマウスピース専用の洗浄剤を用い、清潔に保つようにしてください。

 

また、外食の際には、外したらすぐに専用のケースに入れることを心掛けてください。特にインビザラインを始めたての頃は一度外すとつけ忘れる人が意外と多く、ケースに入れていなかったがために飲食店のスタッフがゴミと間違えて捨ててしまった……などというトラブルもまれに起こっています。

 

⑤アタッチメント装着

 

治療を開始してから約1カ月後に経過観察を行い、きちんとフィットしていたか、1日20
〜22時間の装着時間は守れているかなどを確認し「アタッチメント」を装着します。

 

アタッチメントとは、歯の表面につける突起のことです。歯の色と同じコンポジットレジン(CR)という合成樹脂を使って装着します。見た目はまったく違和感がありません。アタッチメントにマウスピースを引っかけると、歯にかかる力の方向性を調整できるようになるのです。また、チェックの際にアタッチメントが印となり、歯の動きにずれが生じていないかどうかの判定材料にもなります。

 

このほか、状況に応じてマウスピースにボタンのような装置をつけてゴムを引っかける処置を施すこともあります。これは、歯列全体のずれや上下の歯の隙間がある場合にゴムの力を利用して噛み合わせを調整するものです。「ゴムをかけたまま生活するの⁉」と思われそうですが、通常の輪ゴムよりも柔らかいので違和感はそこまでありません。

 

また、場合によっては歯の表面のエナメル質をわずかに削って左右の歯の配列を整えるディスキング(IPR)を施すこともあります。矯正=抜歯というイメージをもっている方もいますが、歯科医師の多くはできることなら健康な歯はそのまま残しておきたいと思っています。ディスキングは、むやみに抜歯をしなくて済むようにするための処置でもあるのです。

 

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    ※本記事は、『口元美人を叶える インビザライン矯正治療』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

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    三嶋 一平 著
    村津 大地 監修

    幻冬舎メディアコンサルティング

    アメリカで開発されたマウスピース矯正治療“インビザライン"は、患者さんの口腔内を3Dスキャナーで読み取ってオーダーメイドの透明なマウスピースを作成し、マウスピースを取り替えながら歯を動かし矯正していきます。さらに…

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