成長著しい「フィリピン株式市場」驚異の値上がりを果たした注目銘柄

9月20日週「フィリピン株式」レポート

成長著しい「フィリピン株式市場」驚異の値上がりを果たした注目銘柄
写真:PIXTA

成長著しいフィリピンでは、過去20年ほどで数十倍にも値上がりした銘柄が数多くあります。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が、驚異の値上がりを果たした銘柄に焦点をあて、今後の展開について解説していきます。

フィリピンの人口増を味方に付けて株価26倍

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次に「Universal Robina Corporation(URC)」です。この会社の時価総額は3,000億ペソ以上で、フィリピンでは誰もが知るナショナルブランドを多く持つ菓子・飲料メーカーです。同社の株価も過去20年間で26倍になりました。日本の「カルビー」と提携して、フィリピンでカルビー製品を販売しています。人口が1億人を超える国で、商品が国民的なブランドにまでなると強いことが良くわかります。あのウォーレン・バフェット氏も、コカコーラ、ハインツなどのブランドを確立した食品メーカーへの数十年にわたる投資を一つの戦略にしています。

 

「Pryce Corporation(PPC)」は、LPG(液化石油ガス)・プロパンガスのディストリビューターです。株価は過去10年で19倍になりました。一見地味に見えるビジネスですが、実際に急成長してきた会社です。フィリピンでは、電気代こともあり、ほとんどの家庭あるいは飲食店でLPGが使われています。

 

「シェブロン」「シェル」「ペトロン」「カルテックス」などの石油会社が競合ですが、LPG専業で行っている会社は少なく、利益率の高いビジネスを展開しています。

フィリピン10大財閥の一角が20年で株価20倍に

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「JG Summit Holdings, inc.(JGS)」は、フィリピン10大財閥の一角をしめる大企業です。ゴコンウェイ・ファミリーがオーナーで、前述した菓子メーカー「URC」、大手不動産ディベロッパー「ロビンソンズ・ランド」、百貨店・スーパーなど小売の「ロビンソン・リテール」、航空会社「セブ・パシフィック」などがグループ会社です。過去20年間で株価を約20倍に上昇させました。

 

同社は、「アヤラ」や「SM」と並ぶ財閥企業で、すでに大きなサイズのビジネスを展開。今後も過去20年間のような大きな成長・株価上昇が期待できるのかという点が気になりますが、同社のビジネスのほとんどがフィリピン一般の人々の生活に密着したところにあります。つまり、日本でいえば1970年代初頭のステージにいるフィリピン経済は、これから経済が高度成長していくわけですから、フィリピン人の所得、生活水準もどんどん上がっていく中で、そこに関わる事業を展開する会社は、その波に乗って成長していくというシナリオを描くことができると思います。

 

過去20年、30年で数十倍に大きく株価を伸ばした会社を見ながら、今後の成長ストーリーを考えてきましたが、高齢化社会で経済が成熟し、成長が限定的な日本とはかなり違った景色が見えてくることがわかります。日本では成熟産業・セクターだが、フィリピンでは成長産業というものもたくさんあります。

 

日本人も外に目を向けることにより、まったく違った景色が見え、高度成長を取り込むことができるわけですね。これがまさにタイムマシン投資の醍醐味です。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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