(※写真はイメージです/PIXTA)

患者にとって、外出しなくても医療機関にかかれる「オンライン診療」ほど便利なものはありません。コロナ後もオンライン診療のニーズが消えることはないでしょう。とはいえ、誤診リスクは高く、導入コストが大きいのに診療報酬は安いなどの理由から、なかなか普及しないというのが現状です。そこで本稿では1日200人以上の患者を診るという「日本一忙しい小児科医」が、オンライン診療のトラブルを防ぎ、たくさんの患者を無駄なく診察するためのポイントを解説します。

オンライン診療はどうしても医師の記憶に残りにくい

ところで、オンライン診療の患者は外来患者に比べ、医師の印象に残りづらいものです。『人は見た目が9割』というベストセラーがありますが、人間は視覚を使って他者を記憶する傾向が強いものです。

 

ところがオンライン診療では、患者の姿は狭い画面の中にしかありませんから、どうしても覚えるのが難しいといえます。

 

それでも医師は、診療した患者の情報をきちんと覚えておかなければなりません。そのためには、やはり会話内容をしっかり記録しておくことが大切なのです。

「医師が待たされない仕組み」で効率よく診察

オンライン診療の予約システムでは、「医師ではなく患者が待つ仕組み」を構築することが重要です。

 

仮に患者に対し、「10時から診察を開始する」と指定したとします。もし、医師が約束の時間に間に合わなければ患者からはクレームが寄せられるため、医師は10時までにオンライン診療システムに入る必要があります。

 

ところが、患者のなかには約束を守らない人がたくさんいますし、ひどいときには連絡もなく診察をすっぽかす人すらいます。その場合は、医師の側がずっと待たされる羽目になるわけです。クリニックのなかで最も時給が高いのは、いうまでもなく医師です。その医師が時間を空費してしまうのは、クリニックの経営にとって大きなマイナスです。

 

そこで複数の患者に対し、「あなたは●時●分からX時X分までの間に診察する」というやり方を採りましょう。これなら、医師が患者の都合に合わせて待つことはなくなります。また、患者側もそれほど大きな不満をもちません。

 

なぜなら、オンライン診療の場合、患者は自宅などで待機しているため、テレビを見たりスマホを操作したりしながら診察時間を待つことができるからです。

 

私の院ではオンライン診療を15分ずつの時間帯に分け、それぞれに3人ずつ患者を入れるようにしています。こうすれば、患者の待ち時間は最小限に抑えることができますし、患者の遅刻などで医師が待ちぼうけを食らわされるリスクもほとんどなくなります。

 

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次ページスタッフが自主的に業務改善する「仕組み」

※本連載は、鈴木幹啓氏の著書『開業医を救うオンライン診療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

開業医を救うオンライン診療

開業医を救うオンライン診療

鈴木 幹啓

幻冬舎メディアコンサルティング

「3分診療」で収益倍増! 1日で最大350人もの外来患者を診る地方開業医が、開業医受難時代の起死回生の一手を語る。 新型コロナウイルス感染拡大で多くの患者が受診控えを行ったことにより、開業医は苦境に立たされてい…

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