国が予算1兆円を投じて成立させた「事業再構築補助金」。いざ補助金を申請しても、入金されるまでに期間を要するため、経営者は申請から入金までの時期の資金繰りに頭を悩ませます。そのような課題を解決すると期待される「補助金対応POファイナンス」について、当サービスを提供するTranzax株式会社代表の大塚博之氏が講師を務めたセミナーを基に、全2回で紹介します。前編となる今回は、補助金のデメリットである「申請から入金までの資金繰りストレス」を解消する、「補助金対応POファイナンス」とはどのようなサービスか見ていきます。

売掛債権や注文書を電子記録債権化するメリット

次に、電子記録債権について説明します。

 

売掛債権などの資金調達への活用の促進を目的として、2008年に電子記録債権法が施行されました。これにより、わざわざ実際に登記所へ行かなくても、インターネット上で簡単に手続きができ、債権の内容や権利関係者が明確になるため、債権を担保としたり、売ったりすることが簡単になります。


売掛債権のまま担保としたり、売ろうとすると金融機関は法務局までわざわざ出向いて登記手続きをします。司法書士にお願いするケースも多く、非常に手間とコストがかかります。

 

また、状況によっては権利関係が、完全に明確なものではないという欠点もあります。

 

一方で、電子記録債権の場合は、手形に書いてあるような内容、すなわち債権・債務者名や、金額・期日などを電子的に記録しています。

 

また、債権譲渡した場合や支払いが完了した場合などの債権の動的な状態についての内容も記録機関上で記録していきます。これにより金融機関も安心かつ便利に担保設定や債権管理ができるようになったのです。

 

本来、登記所は法務省が管轄しているように、国が行うべき仕事ですが、この電子記録債権法では、国が指定を与えた民間の株式会社に記録を委託すると定めており、Tranzaxの場合は、100%子会社のTranzax電子債権株式会社が記録機関として国から指定を受け、運営・管理を行っています。

 

売掛債権や注文書を電子記録債権化すると、お金が貸し借りしやすくなるという理由には、こういった背景があります。

 

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