※画像はイメージです/PIXTA

2度目のロックダウンが実施されたニュージーランドは、国民と政府が一丸となってコロナ抑制に努めています。一方、人々が自宅に閉じこもっても不動産業界は相変わらずの活況で、中古住宅の価格上昇が止まりません。どのような背景があるのでしょうか。オークランド在住で不動産会社を経営する筆者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

市中感染者1人の出現で、2度目のロックダウンに突入

日本でもニュースになっている通り、ニュージーランドはロックダウン中です。今回もオークランドより生の情報をお伝えしたいと思います。

 

2021年8月17日の午後3時ごろでした。「デルタ株の市中感染者が1人出た」というネットニュースが駆け巡りました。

 

そのとき筆者は、ワクチン接種会場の待合室に腰を掛けていました。1回目の接種後、体調変化を見守るために、15分間の待機を指示されていたのです。

 

そんなところへ、午後6時に首相の記者会見があるとの情報が入り、「これはまた、ロックダウンになるかもしれない」と思って、会場からすぐそばのスーパーマーケットへと走ったのです。

 

同時にスタッフ全員に電話をかけまくり、「仕事の手を止めてすぐ家に帰って! なんでもいいから生活必需品を買って、ロックダウンの準備をしなさい!」と、電話口で声を張りました。

 

その日のうちに政府から、市民の外出を禁止し、生活必需品を扱うスーパーや薬局以外の店舗を閉鎖する「警戒レベル4」の発表があり、翌日18日の未明より、ニュージーランド国内はロックダウンに突入しました。

 

久しぶりのロックダウンです。それまではマスクもつけず、居酒屋でもレストランでも、大勢のなかで食事をしていましたし、スポーツ観戦や、観劇にも出かけるなど、本当に「コロナ以前」のような日常を送っていました。

 

しかし、そこにデルタ株の感染者が出現しました。該当者とその仕事仲間をはじめとする濃厚接触者が、週末に行動した立ち寄り先を一般公開し、同時期に同じ場所にいた感染の可能性がある人は、すぐさまPCR検査を受けるようにとの指示がありました。感染リスクのある人たちは、長打の列となって検査を受けました。

 

しかしその後、教会や学校でクラスターの発生が判明し、オークランドと、その北のノースランドでも感染者が発生しました。オークランドに訪問したウェイリントン在住者の感染も確認されました。

 

約1年ぶりの予期せぬロックダウンです。携帯のアラームが鳴り響き、久々に感じる緊張感です。スーパーには大勢の人が押し寄せ、やはり、トイレットペーパーをはじめ、缶詰など長期保存のきく食品から飛ぶように売れていきました。

 

人気商品の戸棚はすぐに空になるので、

 

「そうか、やはりこれは人気商品だったのか」

 

と、いつも購入しているお気に入の品が売り切れているのを見て、冷静に考察するシーンもありました。

 

ロックダウンの決定も早いニュージーランド政府ですが、資金の面のサポートも同様です。条件を満たす人は、ウェブ申請により週600NZドル(約4万6,000円)を2週間分(1,200NZドル〈約9万2,000円〉)支給すると、すぐに決定・周知されました。

 

再度2週間の延長となったときも、第2弾として同じ金額が支給されました。

 

この支給額はフルタイムで勤務している人の基準で、パートタイムでの勤務者はその半額支給でした。

 

もちろん、充分な額とまではいえず、経営者側も苦労しますが、最低限の支給は受けられるので、いまのところはどうにか暮らしていくことができてます。

 

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