※画像はイメージです/PIXTA

東京オリンピック・パラリンピックが終了しましたが、メイン会場となった新国立競技場は、この先の使い道が定かでなく、また、毎年高額な維持管理費が必要との報道もあります。もしもそれが真実なら、無理して活用の道を探るより、取り壊してしまうほうがずっと効率的だとも考えられます。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

ただし、会社で発言するなら「社内政治」にも配慮を

自分が買った本、自分が入ったレストランであれば、自分の幸せだけを考えればいいのでしょうが、仕事となると、上司のメンツという問題が出てきます。

 

たとえば、社員用の福利厚生施設を作ったけれども誰も使わないという場合、維持費を節約するために取り壊すというのがベストの選択肢かもしれませんが、それを主張することで、福利厚生施設を建てようと提案した上司のメンツをつぶしてしまうかもしれません。

 

仮にもそのプロジェクトを推進したのが社内の実力者であったとすれば、社内政治的には黙っていたほうがいいかもしれませんね。

 

新国立競技場の場合は、仮に使い道がないのであれば取り壊すべきだろう、というのが筆者の考えですし、筆者は競技場建設を推進した人の部下ではないので、自由にものがいえるわけですが、当事者はそこまで考えたほうがいいかもしれませんね。

代金のことは忘れつつ、問題の検証と反省はしっかりと

払ってしまった代金のことは忘れて、将来の自分を幸せにしてくれる選択肢を選ぶべきだ、というのが本稿の主張なわけですが、過去に自分が行った選択が正しかったのか否か、仮に正しくなかったのであれば、なぜ誤った選択をしたのか、といった反省は重要です。

 

なぜ、つまらない本を買ってしまったのか。運が悪かっただけなのか、ネット情報を安易に信じすぎたではないか、最初の数ページを「立ち読み」してから買うべきだったのではないか、といったことはしっかり検討すべきでしょう。

 

新国立競技場についても、仮に使い道がないのであれば、なぜ五輪後に使い道がないような設計をしたのか、合理的な理由があったのか否か等々をしっかり反省すべきでしょう。

 

もしかすると、「世紀の祭典のためにベストの建物を建てたのだ。後日の使い道など考えていたら、ベストの建物が設計できなかっただろう」ということかもしれません。そうであれば、その思考回路が国民の血税の使い道として正しかったのか否か、といった検証は必要ですね。

 

あとは、「それなら、はじめから五輪後に取り壊すつもりだったわけですね」と聞いて見ることも必要でしょう。実力者のメンツをつぶさない範囲内で、ですが(笑)。

 

今回は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等々の見解ではありません。また、わかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義

経済評論家

 

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