(※画像はイメージです/PIXTA)

「私もずっと『孤独』でした」と語るのは精神科医の和田秀樹氏。現代病理の多くが孤独や疎外感が「根っこ」になっていると指摘する。多くの人が悩む「何となく寂しい」から逃れる「孤独の作法」とは。※本連載は和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「孤独の作法」は現代人に必須の教養である

孤独とはいったい、なんなのか。

 

何が孤独を見えなくさせていて、どこに問題があるのか。

 

自分はどう孤独とつきあっていくべきなのか。

 

こうした考察を深めることこそ、社会を確かな目で見抜き、本質的でオリジナリティに富んだものの考え方をするために必須の教養です。

 

そしてそれは、自分の人格を成長させ、しなやかでたくましい精神を形作ることにもつながっていきます。こうしたことが、現代人に必要な「孤独の作法」であると私は考えています。

 

今は、上辺だけ取り繕って、魅力のある人間であるかのようにふるまうノウハウやテクニックのほうが重視されがちかもしれませんが、そんなメッキはいとも簡単にはがれてしまいます。

 

実は私も、みんながわかってくれないという孤独感を、子どもの頃から40年近く感じ続けていました。

 

しかし、あるきっかけで本音を平気で出せる仲間と知り合い、ワインを趣味にして、酔っ払って言いたいことを言い合ううちに、少しずつ人間不信が解け、孤独感がかなり和らいできました(それでも、なくなったわけではないことは断っておきます。でも、この程度の孤独感ならあったほうがいいとも思っています)。以前より、少なくとも、素直に人に依存できるようになったのは確かです。

 

本連載をお読みの読者のみなさんは、きっと、表面的なものの捉え方が蔓延しているのに気づきそれが嫌になったり、みんなに合わせるのにもう飽き飽きしていて、より本質的で根源的なものの考え方をしたいと、心のどこかで思われたのではないでしょうか。

 

だからこそ、本稿をお読みいただいているのではないでしょうか。あるいは、表向きはうまくいっているが、なんとなく孤独で疲れる自分にさよならをしたいと思ったのかもしれません。

 

孤独や疎外感というのは、人間なら誰しも避けては通れない根源的な悩みです。

 

しかし、私も精神科医になってから36年経ち、いろいろな経験も積み、社会観察もし、いろいろと考え続けてきたことは確かです。

 

なぜ自分が、どうにか孤独感から逃れることができたのか。

 

自分なりの結論もふくめて、自分なりに考えてきたことを、できるかぎりお伝えしていきたいと思います。

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

孤独と上手につきあう9つの習慣

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和田 秀樹

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